■シカの落とし物に集まる宝石
皆さんは糞虫(ふんちゅう)を知っていますか?動物などのフンに集まりエサにする昆虫で、その正体はコガネムシの仲間。海外に生息するフンコロガシは有名ですね。実は海外では、神の化身として扱われたこともあります。国内には図鑑で見るような立派なフンの球を作って運ぶ種類はいませんが、フンを運ぶ種類はいくつかいます。
中でもセンチコガネの仲間は大型で体に金属光沢がある美しい昆虫です。特にオオセンチコガネが持つ赤や緑などのメタリックな輝きはまるで宝石。この虫を専門に集めるコレクターもいるほどです。県内では南予を中心に分布する昆虫でしたが、最近では県内各地で見られるようになりました。一体なぜでしょう?その理由はシカの増加です。オオセンチコガネは主にシカのフンを食べるため、分布がシカの生息域と重なることが報告されています。町内でも面河地区をはじめ、各地でシカの目撃記録が増加しています。今のところ久万高原町ではオオセンチコガネの記録はありませんが、シカが増え続けると身近な昆虫になっているかもしれません。(安田)
▽学芸員のつぶやき
美しい糞虫を見つけた時は嬉しいです。フンだけでなく、良い運も運んでくれることを信じたいです。ちなみに、センチコガネの仲間は、数週間程ならカブトムシと同じように昆虫ゼリーで飼育できます。
問合せ:面河山岳博物館
【電話】58‒2130【HP】http://www.kumakogen.jp/site/omogo-sangaku/
<この記事についてアンケートにご協力ください。>