■ヤスデのはなし
庭や校庭の植木鉢の下によくいる、細長くて脚がいっぱいある生き物。ムカデ!と思うかもしれませんが、実はヤスデかもしれません。今回はあまり注目されることがない、ヤスデについて紹介します。
まずは見た目について。似ている両者ですが、脚に注目すると簡単に見分けることができます。ムカデは体の各節から脚が一対生えていますが、ヤスデの場合はほとんどの節で脚が2対生えています。脚の本数がより多いため嫌われがちですが、自然界では落ち葉などを食べる分解者として重要な存在です。
ムカデと同じように毒を持ちますが、刺すことはありません。毒は防御のために使われ、敵に襲われると体を丸めて臭い毒液を出します。そのニオイは例えるなら正露丸。昆虫などには毒性が強く、ヤスデを捕食できる生き物は限られます。ちなみに人間が触れると茶色のシミになり、洗ってもしばらくは落ちません。
国内からは300種ほどのヤスデが記録されていますが、まだまだ名前のついていないものも多いです。刺激しないようそっと観察してみてください。(安田)
▽学芸員のつぶやき
黒っぽい色の種が多いですが、地中奥深くで見つかるヤスデは体色が白いものが多く、美しさすら感じます。
問合せ:面河山岳博物館
【電話】58‒2130【HP】http://www.kumakogen.jp/site/omogo-sangaku/
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