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市民医学講座 NO.223

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愛媛県今治市

■甲状腺疾患について
今治市医師会 上田晃久(てるひさ)

体の中では種々の作用を持つ物質がうまく調和して全身の臓器に作用し、人間の生命を維持し、生体の恒常性(正常な機能を維持する仕組み)や正常な代謝機能を保っています。これらの正常な機能を保つのに必要な体の機構が内分泌代謝です。その中でも頻度の多い内分泌臓器は甲状腺です。
疾患を機能別で分けるとバセドウ病・無痛性甲状腺炎・亜急性(あきゅうせい)甲状腺炎・妊娠初期の甲状腺機能異常などの甲状腺機能亢進(こうしん)症と慢性甲状腺炎を代表とする甲状腺機能低下症があります。甲状腺機能亢進症は急な体重減少・些細な事でイライラする・落ち着きがなくなる・暑がり・動機がする・息切れしやすい・疲れやすい・下痢しやすい・発汗過多・月経不順などの症状がでる可能性があります。甲状腺機能低下症は亢進症の反対で元気がない・寒がり・体重が増える(むくみ)・便秘・月経過多になることがあります。イライラや落ち込みなどの症状から精神疾患として対応されている場合もあります。
また検診にて甲状腺腫大や結節(けっせつ)を指摘されることもあります。甲状腺全体が腫れている場合にはバセドウ病や慢性甲状腺炎の可能性があります。一部が腫れている場合には甲状腺腫瘍が疑われます。ただし約90%が良性結節であり悪性腫瘍は10%となります。診断のためには超音波検査・必要時には甲状腺細胞診・血液検査など総合的に判断が必要になってきます。
気付かなく放置されている可能性もあり、気になる方は医療機関にご相談ください。

※このコーナーの記事は今治市医師会広報委員会のご協力によるものです。

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