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自治体の皆さまへ

市民医学講座NO.219

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愛媛県今治市

■「地域高齢化社会における認知症予防対策」について
今治市医師会
越智 伸子

皆さんは認知症についてどこまで理解されていますか。一般的にいう加齢性に伴う物忘れとは違い、記憶障害を始めとして見当識障害、失語、失行、失認の認知機能障害がみられ、しばしば取り繕いがあり、抑うつ、興奮、徘徊、妄想の周辺症状も伴うこともあります。
アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、血管性認知症があり、認知機能検査、画像検査などを行い、病型診断をします。慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、慢性アルコール中毒、栄養障害によるビタミンB1欠乏、甲状腺機能低下症、うつ病などでも認知症症状が引き起こされるので注意が必要です。
現在、認知症高齢者数は高齢者人口の20%近くに増加しており、少子高齢化が進む中、高齢者の一人暮らし、老々介護の問題や、平成21年6月から75歳以上の運転免許証更新時に認知症のスクリーニング検査が導入され、免許返納後は買い物や日常生活もままならない方もみられます。家族や職場、社会全体で認知症について知ることから始め、接し方や対応のし方、地域社会での認知症サポート体制をかかりつけ医、ケアマネジャーに相談し、通所系サービス、配食サービスなどの見守り、訪問も利用していくこともおすすめします。
朝起きたら季節にあった衣服に着替え、近所を散歩しながら会話をする、ご飯を作ったり、趣味のことをするだけでも認知症予防につながります。ひとりひとりが自分にも起こりうる病気と考え、人生を楽しく過ごせるライフプランをイメージし、やりたいことを少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。

※このコーナーの記事は今治市医師会広報委員会のご協力によるものです。

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