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自治体の皆さまへ

市民医学講座 NO.220

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愛媛県今治市

■舌下免疫アレルゲン療法について
今治市医師会
村嶋 智明

スギ・ヒノキ科花粉症(以下、花粉症)の皆さま、令和5年の花粉症シーズンはいかがでしたか。今年は予測の段階から「今年の花粉は多いらしい」という噂が流れていました。果たして、フタをあけてみると例年の1.5倍〜2倍の花粉が観測されました。当院にも多くの花粉症患者が訪れ、症状も「例年よりひどい」と訴える方が多かった印象です。
花粉症はアレルギー性鼻炎の1つで、花粉に対するアレルギー反応で症状が出現します。花粉症の治療のほとんどは薬をもって症状を和らげることを目的としており、決して花粉症が治るわけではありません。
アレルギーを「治す」ための治療法として、古くから「免疫療法」があります。この治療法は「高濃度のアレルゲンを意図的に摂取することで、身体をアレルゲンに慣れさせる」というものです。ここ10年、より導入がしやすい「舌下(ぜっか)免疫アレルゲン療法」の導入により再注目を浴び、徐々に広まってきています。
適応は5歳以上のスギ花粉症患者であり、効果に個人差はありますが8割以上の方に有効とされています。治療期間は3〜5年と長きにわたり即効性はありませんが、例年症状が酷い方は良い適応となるでしょう。
残念ながら、令和5年5月19日現在、舌下免疫アレルゲン療法の薬物の流通が止まってしまっています。この記事が出る頃には状況が変わっているかもしれませんが、ぜひ最寄りの耳鼻咽喉科でご相談ください。

※このコーナーの記事は今治市医師会広報委員会のご協力によるものです。

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