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自治体の皆さまへ

市民医学講座 NO.222

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愛媛県今治市

■柑橘類とお薬
今治市医師会 小澤りえ

「グレープフルーツを避けてください」
お薬情報で、この文言に見覚えがある方もいると思います。
グレープフルーツは、一部の降圧薬、脂質異常症や不眠症のお薬等と相性が良くないとされています。なぜなのか、説明させていただきます。
まず、お薬は役割を果たした後、体内の酵素によって代謝され、体外へと出ていきます。ところが、グレープフルーツに含まれる『フラノクマリン類』という成分はその代謝を阻害し、その結果、必要以上にお薬が効いてしまいます。
コップ1杯のジュースでも影響があり、相互作用は数日間と続くと言われています。細かいことを言うと果皮が含まれるマーマレードなどのジャムやミックスジュースにもグレープフルーツは含まれている可能性があります。日頃からこれらを摂取していると心当たりがある方は、原材料を確認されてみても良いと思います。
そこでみかん王国の愛媛県民として、気になるのが、じゃあ他の柑橘類はどうなの?です。有名どころを挙げてみます。温州みかんやデコポン、ポンカン、レモン、柚子、カボスやスダチは問題ないとされています。しかし、グレープフルーツに比べれば少量ですが、スウィーティ、八朔、ブンタンにはフラノクマリン類は含まれております。食べすぎにはご注意ください。
他にも、お薬は食べ物に影響を受けることがあります。牛乳に含まれるカルシウムは、お薬の吸収を遅らせたり、効果を弱める場合があります。特に抗生剤や便秘薬は牛乳と相性が良くないです。他にもワーファリンと納豆・青汁、胃薬と炭酸飲料などなど、注意すべき組み合わせは多々あります。
不安がある方は、かかりつけ医や薬剤師に相談してください。内服されるからには、お薬にきちんと働いてもらいましょう。

※このコーナーの記事は今治市医師会広報委員会のご協力によるものです。

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