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自治体の皆さまへ

市民医学講座 NO.230

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愛媛県今治市

■乳がんと高濃度乳腺
今治市医師会
居倉(いくら)美穂(iクリニック内科・呼吸器内科)

乳がんを発見し早期治療するために、乳がん検診が40歳以上を対象に行われています。現在の乳がん検診は、乳房を圧迫してX線撮像されるマンモグラフィが主に行われています。なぜマンモグラフィ検診が行われるのか?それは乳がんによる死亡率を低減することが証明されているからです。40歳から74歳までを対象とした研究では、マンモグラフィ検診によって乳がんの死亡率が25%低減したと報告され、このことからマンモグラフィによる乳がん検診が推奨されました。
ただ、その一方でマンモグラフィ検診だけでは乳がんの発見が遅れることがあることも指摘されています。その理由は高濃度乳腺です。高濃度乳腺とは、マンモグラフィで乳腺量が多いために乳腺が高濃度で写ることをいいます。高濃度乳腺ではX線が通りにくく、正常の乳腺とがんの区別がしにくくなります。例えると雲がかかると月が見えにくくなることに似ています。実際に高濃度乳腺では、乳がん検出の感度は低下することが報告されています。
高濃度乳腺が多い40歳未満には公的マンモグラフィ検診は推奨されていません。それではどうしたらいいのか?マンモグラフィの欠点を補うには、X線を使わない超音波やMRIが有用です。特に超音波は簡便で放射線被曝がないため、施設によっては即日施行することも可能です。
まずは(1)セルフチェックの継続、(2)自身の乳腺濃度を知る、(3)高濃度乳腺で特に症状がある場合は早めに乳腺超音波検査を行う、以上をお願いしたいと思います。

※このコーナーの記事は今治市医師会広報委員会のご協力によるものです。

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