■骨粗しょう症
今治市医師会
廣瀬純成(よしなる)
骨は常に新しい骨がつくられ、古い骨が吸収されるという新陳代謝を繰り返しています。そのサイクルの中で何らかの異常が起こり骨の量が減ってしまうと、骨が弱くなって骨折しやすくなります。これが骨粗しょう症です。
その原因の代表が女性ホルモンです。女性は50歳前後で閉経を迎えると女性ホルモンが低下していき、その影響で骨代謝サイクルでの骨吸収が進み骨密度が低下するようになるのです。ですから、骨粗しょう症は全ての女性に関係する疾患と言えるのです。
その他にも骨粗しょう症のリスクはいくつもあります。
例えば、喫煙。喫煙は呼吸器疾患や癌など多くの病気のリスクになりますが、骨粗しょう症についてもリスクとなります。腸管からのカルシウム摂取を障害することが原因とされています。
他に過度の飲酒。アルコールは「百薬の長」といわれ、適量の摂取はむしろ健康のために推奨されております。しかし適量を過ぎると体の害になり、心疾患や肝障害、骨粗しょう症などの原因となります。適量というのは、ビールなら500ml、日本酒なら180ml(1合)です。これを1単位と表します。これが3単位を越えると容量依存的に体に悪影響を与えていくのです。
他にも薬剤の使用や骨折の既往などさまざまなリスクがあります。
世界保健機構(WHO)では、これらのリスクや骨密度などを入力することで今後10年間の骨折の可能性を評価するツール(FRAX)を作成し一般公開しております。また、骨粗しょう症治療薬には内服や注射などさまざまな種類があり、個々の状態に応じていくつもの選択肢があります。
気になる方は、お近くの整形外科でご相談ください。
※このコーナーの記事は今治市医師会広報委員会のご協力によるものです。
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