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人権学習シリーズ 365

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愛媛県伊方町

■自らの『マジョリティ性(特権)』を知れば視野が広がる!No.2
生涯学習係

前回、出口真紀子氏(上智大学教授)の『マジョリティ性(多数派、特権をもつ人たち)』に関する記事に対する私の考えを述べました。今回は、その第2弾です!
出口氏によると、マジョリティ性を多く持つ人たちが自らの特権に無自覚だと、問題が生じるというのです。一つは、「自分は特に優遇されてはいない。」という考えから、「自分は『ふつう』である。差別をしているわけでもなく、何も悪くない。」という意識を持ち、差別の現状に対し「私は変わる必要はない。」という思考に陥る危険があるということです。そしてもう一つは、誤った差別意識に陥りやすいということです〔「マイノリティ(少数派)の人ばかり優遇されて……。これは『逆差別だ』。」と考えること〕。
そこで出口氏は、「こう考えてはどうですか」と投げかけてくれています。例えば、JRや市内電車、地下鉄で、車椅子を利用している人やベビーカーを押している人を見かけた時、「車椅子利用者や赤ちゃん連れの人は大変だなあ。」と考えるのではなく、「私は、最寄りの駅からすぐに乗ることができる特権がある。(少々階段などあっても平気)」「私には、向こう側のプラットホームに行くとき、エレベーターやスロープがあるかどうか調べなくてもよい特権がある。」と考えるのです。そうすると視野が広がり、車椅子利用の方やベビーカーを押している方への接し方が変わり、更には社会の仕組みを変えようとする行動へと変わっていくというのです(「私は変わる必要はない」から「私が考えを変えることで、みんなが暮らしやすい社会になる」に変わりましたね)。どうですか、みなさん。自分のマジョリティ性に視点を当て、自分の生活環境を見直してみてはどうでしょうか。
最後に、出口真紀子氏の言葉をお伝えしたいと思います。
「マジョリティ側の皆さん。不利な立場を多く経験せず、スムーズにここまで来られたとしたら、そのような社会の仕組みを温存する側のままでいいのでしょうか?」

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