伊方町学校再編検討委員会の検討報告が発表されました(1)

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伊方町では少子化に伴う学校の小規模化が進行しています。学校の小規模化は、きめ細かな学習指導や生活指導ができるなどの利点もありますが、一定の集団の中で多様な考えに触れ、協力し合い切磋琢磨して、資質や能力を伸ばしていくことも、学校教育にとって大切です。
この状況を鑑みて、伊方町では令和2年度に「子どもたちのより良い教育環境について考えるアンケート」を実施し、その結果、就学・未就学児保護者の6割以上の方から、学校の再編がすぐに、又は将来的に必要という回答をいただきました。
これを受け、令和3年12月に伊方町学校再編検討委員会(PTA、保育所保護者会、区長会、小中学校校長、学識経験者の各代表。教育委員会を加えた22名)が設置されました。子どもたちにとってより良い学校環境を考えることを第一に、地域の実情にも考慮し、これからの伊方町に最適な学校教育、学校環境の形について計8回の会議と学校視察などを行って検討を重ね、令和5年2月10日に会長から教育長に報告書が提出されました。その概要を掲載いたしました。
なお、報告全文及び会議録概要、関係資料については伊方町ホームページに掲載しておりますのでご覧ください。
今後、この報告をもとに伊方町教育委員会が再編計画を以下の予定で策定することになります。

令和5年5月頃…伊方町学校再編検討委員会の再編検討報告をもとに伊方町教育委員会が再編計画(案)を策定
令和5年11月までに…再編計画(案)において、対象となる保護者、地区への説明会及びパブリックコメントを実施
令和5年11月頃…伊方町学校再編計画を策定

■伊方町学校再編検討委員会の検討報告から-概要-
▽伊方町教育委員会教育長から伊方町学校再編検討委員会へ依頼した検討事項
1　学校規模の適正化・適正配置に関する基本的な考え方について
2　町内小中学校の具体的な再編の方策について
3　町内小中学校の活性化について

▽伊方町学校再編について(検討事項報告)
再編検討委員会会長から伊方町教育委員会あての報告文。伊方町学校再編検討委員会設置の経緯、伊方町立小中学校の現状、再編の必要性、検討過程、結果と要望などを会長名で記載。

■I　伊方町が目指す現実的な学校規模について
●(1)複式学級が解消する児童生徒数となる学校規模
▽小学校における望ましい学校・学級規模
クラス替えの可能な12学級以上の規模が適正であるが、現在の町の状況では、1学年1学級が最大であり、今後も児童生徒数は減少していくことが予想される。このことから、通学時間や通学距離等に無理があり、統合が困難な場合を除いて、複式学級を解消することができる6学級以上の規模が望ましい。

▽中学校における望ましい学校・学級規模
学校規模について、適正規模は12学級以上であり、最低でもクラス替えの可能な6学級以上の規模が望ましいが、現状では生徒数が最大の学校においても生徒数の減少により1学年1学級となってきている。よって複式学級を解消することができる3学級以上の規模が望ましい。

●(2)クラス替えのできる児童生徒数となる学級規模
できるだけクラス替えのできる学校規模を目指すことが望ましいが、やむをえず1学年1学級となる場合であっても、少人数での活動において効果的とされる4～6人の班編成で3班以上となり、班替えによる学級活動の活性化が可能な学級規模が望ましい。

■II　学校再編の必要性について
学校の活性化、教育指導の充実、教育水準の維持向上を図るためには一定の学校規模を確保する事が重要となる。しかしながら伊方町の現状は、少子化の進行などにより学校の小規模化が一層進み、過小規模校(複式学級が存在する学校)が大半を占めており、将来的に複式学級を含む予定の中学校がある。また、児童が学年に1人、もしくはいないという小学校が増えてきている。
一部省略
特に、現代社会のように家庭が核家族化し少子家族化した現在では、小中学校時期における集団生活の体験は、子どもたちの健全な人間形成に欠かすことのできないものである。また、変化の激しい現代社会の中でたくましく生き抜く力を養う上でも重要であると言える。
それぞれの学校には長い歴史と伝統があり、地域社会も学校を一つの核として栄えてきた経緯から、地域の方々の学校に寄せる「思い」や「願い」は充分理解できるし尊重すべきである。しかし、教育環境の整備や学校再編は、あくまでも次代を担う子どもの立場を第一に考えるべきであり、子どもにとってより良い教育環境の整備を重視する事が望ましいものと考える。従って、本検討委員会は子ども第一の立場に立ち、伊方町の小中学校の現状を鑑み、様々な事情を考慮してもなお、小中学校の再編が必要であると考え、検討を行った。