■「だれ一人とり残されない伊方町にするために」~第七十四回全国人権・同和教育研究大会報告~
みなさんは、「ダイバーシティー」という言葉をご存じでしょうか。近年よく耳にするようになったこの「ダイバーシティー」とは、「多様性」と訳され、「人種、性別、文化、国籍、宗教、価値観などが違う様々な属性を持った人々が、共存・共生している状態」を指します。
去る十一月二十五・二十六日に、「つなぐかがやくゆめひらく~だれ一人とり残さない社会の創造をめざして~」というテーマの下、全国人権・同和教育研究大会が関西地区で開催されました。伊方町からは、人権教育協議会と人権対策協議会の役員、保育所や小中高等学校の教員、民生児童委員や区長会の代表など十九名の皆さんが参加しました。
二十二の会場において、様々な人権問題の解決をめざした九十四の実践報告や講座がありました。私が参加した特別分科会では、「だれ一人とり残されないまちづくり」と題して兵庫県相談支援ネットワーク代表理事の玉木幸則さんの講座が開かれました。障害者としての自らの体験を基に、どうすればみんなが暮らしやすい社会をつくることができるのかについて、ユーモアを交えながらわかりやすく話されました。
「人は誰しも少なからず生きづらさを感じながら生きている。それは、他者から見えることもあれば、見えないこともある。」玉木さんのこの言葉に、感銘を受けました。近年、障害者差別解消法、LGBT理解増進法など、多様な人権を守るための法律が整備されました。しかしながら、周りからは見えないけれど、生きづらさを抱えている人がまだまだたくさんいます。言い換えれば、私たちの周りには、まだとり残されている人がいるということです。自分の周りには、生きづらさを感じている人がいるかもしれない。そのことに心を配り、みんなが心穏やかに暮らしていける町、多様性が尊重される町、そのような町づくりを私たちが住むこの伊方町から始めていきましょう。
伊方町人権教育協議会事務局
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