■『差別をなくすためにどうするべきか考える』
新川会館 主査 小泉翔生
隣保館の職員となり、まだ日は浅いのですが、人権啓発活動に携わる者として、差別をなくすにはどうすべきか考えてみました。人種、国籍、性別、職業、被差別部落等々、多種多様な差別があります。なぜ人は差別をするのか、なぜ差別がなくならないのか、それは、人は皆、心に弱さを抱えているからだと思います。
自分の人生に絶望している人は、前を向いて頑張ろうと思うことはとても難しいと思います。逆に、どんなにつらい状況でも、追い詰められた状況でも、どうにかしてやろうと思える人は、とても強い人だと思います。絶望とは、希望を全く失うことです。たとえば、経済的に余裕がない、忙しくて時間に余裕がない、学校でひどいいじめにあっている、職場でパワハラを受けている等、絶望する理由はいろいろあると思います。差別をする人は、自分の心に余裕がないから、下だと思える人や、妬ましいと思える人を見つけて悪口を言ったり、攻撃したりして、自分の心を満たそうとするのだと思います。しかし、それでは相手を傷つけるだけでなく、自分の心を満たすこともできません。
私も、いろいろ嫌なことが重なって絶望しかけた時期がありました。その時は、現実から逃げたいと思うばかりでした。
しかし、ある時こう考えるようになりました。自分はこんなところで終わらない。可能性が1%しかなくても、自分の正しいと思える道を進もう。99%が悪い結果だったとしても覚悟を決めて全力でやってみよう。そう考えるようになると、自然と前向きな気持ちになりました。そんな考え方にさせてくれたのは、家族や友人、職場の方々でした。さらに、自分の趣味なども含めたトータルで、今の自分があるのだと思います。それでも結局は、最終的に前を向けるか、変われるかどうかは、自分自身だと思います。そして、差別する心をなくすことができるのも、自分自身です。
私自身も恥ずかしながら、偏見の意識が完全になくなったとは言い切れません。人から理不尽なことで怒られたり、陰で悪口を言われていることが分かったりしたときは、その人に対して腹が立つし、関わりたくないと思ったりもします。それでも、自分の心の弱さと向き合いながら、生きていくことが大切なのだと思います。
現実から逃げないで、人と関わりを持ち、協力しあい、助け合うことができた時に、本当の意味で、自分の心が満たされるのだと思います。
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