■人権に関する用語の基礎知識 その(3)「キーワード編 パートII」
「ウェルビーイング」
この言葉は、元々は「良い状態」という意味の英語ですが、近年では「身体的、精神的、社会的にも良い状態であること」を表す言葉として使われています。我が国の『経済財政運営と改革の基本方針(いわゆる「骨太の方針」)』にも「希望あふれるウェルビーイングの高い社会の実現を目指す」と記載されているように、産業や教育の分野を始めとして、さまざまな場面でよく使われます。このウェルビーイングは近年の働き方改革の目的の一つでもあります。そして、事業活動を通じて人々のウェルビーイングに貢献しようとする企業も増えています。例えば、国内の某自動車メーカーは「幸せを量産する」、某住宅メーカーは「我が家を世界一幸せな場所にする」などのビジョンを掲げています。
『すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。』(日本国憲法十三条)
このように、私たちが幸福を追求する権利は憲法に保障されています。誰もが、ウェルビーイングを望んでよいし、そうなるべきなのです。
では、今のあなたは、ウェルビーイングですかと聞かれたら、どう答えますか?身体や精神の健康面の状況、生活における経済状況や社会的状況など、「良い状態」にあるでしょうか。
もちろん人によってその判断基準が違うとは思いますが、「はい、ウェルビーイングです!」と誰もが笑顔で言える社会にしていかなければなりません。その実現に向けて、自分のために、あるいは身近な人のために、さらには世界の人たちのために、自分にできることを実践していきたいものです。
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