■「九町の虫送り」
九町地区は毎年旧暦6月1日(ロクガツイリ)に各集落のお庵で大数珠を繰って地区内を歩いて回る行事「虫送り」と、実盛人形を作って祈祷し、海に流す行事「実盛さん」を並行して行っています。今回は7月6日に行われた畑地区の虫送りについて紹介します。
まずお庵に地域の子どもたちや老人会のメンバーが集まって大きな数珠を繰りながら太鼓と鉦に合わせて念仏を唱えます。その後、数珠を持って鉦と太鼓に合わせて囃しながら畑地区内を歩き、数か所で数珠を繰り念仏を唱えます。
この虫送り行事、かつては男の子だけが参加した行事でした。
今よりも子どもの数も多く、みんなで地区内をまわり、九町越地区との境(現四国電力の伊方ビジターズハウスあたり)まで行っていたそうです。また、昔は「コージョコージョ〇〇行け」などと言っていました。地元の方によるとコージョとはイモの葉を食べる虫だそうで、その虫を追いやり、農作物が無事にできることを願いました。
一方で実盛さんの人形作りは午後から九町5地区(須賀・久保・西・畑・奥)の区長さん(オオナカ)や老人会の皆さんが集まって奥の集会所で行います。その後天徳寺で読経、念仏を唱え、最後に海へと流します。
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