■「自分で考え、判断することの大切さを学ぶ」
三崎公民館 主事 堀田有希也
人権週間中の12月8日(日)に「人権フェスタ2024いかた」が伊方町民会館にて開催されました。午前中は人権擁護委員による人権相談が行われ、午後からは、「ニュースが伝えない差別の裏側」との演題で、フリーアナウンサー・記者の藪本雅子氏による講演が行われました。
藪本氏は、ライフワークとしているハンセン病問題との関りについて、向き合うきっかけになった出来事や自身が取材を通して感じたことや考えたことを、その体験とともにわかりやすく紹介してくれました。会場には町内のほとんどの中学生も来ていましたので、中学生にもわかりやすい言葉を使って、熱心に話してくださいました。
宗教的な価値観、日本独自のケガレの概念などが、ハンセン病患者への差別の原因の一つだとの話を聴きながら、自分自身がそこまで深く考えたり調べたりしたことがなかったことを反省しました。と同時に、物事を正しく理解し、自分で考え、判断することが大切なのだと感じました。
過去には、ハンセン病を不治の病だとして、患者が強制的に隔離されていた時代がありました。しかし、「患者を密告するのは意地悪な人たちではない。正義感にあふれた人たちだった。正義は時代によって変わっていく。正義の名のもとで、ハンセン病の人たちが犯罪人のように連れていかれた」と藪本氏。私は、つい数年前のコロナ禍の同調圧力にも同じように雰囲気を感じたことを思い出しました。
私たちが目にしないところでも、「ハンセン病」とその患者への厳しい差別が行われていた事実をこの講演で、改めて知りました。報道されていないところでも様々な差別があることを知ることができて、深い学びの機会となりました。
また、ご自身の体験談として「性被害」についてもお話しされており、中学生時代に受けた「性被害」は大人になっても不安や抑うつ感などが付きまとい、自分を肯定することができずに安定剤が手放せない状況だったこと、その体験が今の自分の活動を支えていることを熱く語ってくださいました。「性暴力」は絶対に許せない。「性暴力の被害者」を少しでも減らしていきたいとも訴えかけていました。
残念ながら、いつの時代にも「差別」はあり、メディアの報道の仕方によって人々の受け取り方や感じ方も異なります。メディアの報道に頼るばかりではなく、自分自身で考え、判断していくことの重要性を改めて感じたフェスタになりました。
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