町民の皆様の温かな心の交流と文化の活性化、俳句文化の継承・発展を目的にして始めた「佐田岬トーク(投句)」も開始から丸2年が経ちました。これまでに、町内外の俳句愛好家の皆様、小中高校生、観光に訪れた方々などから投句していただいた俳句は、全部で2994句になりました。
町内の文化拠点(佐田岬半島ミュージアム、公民館や図書館など)や観光施設(亀ヶ池温泉、きらら館やはなはななど)に投句箱を設置しています。偶数月の19日に投句用紙を回収し、町内の俳句グループの皆様に一次選句していただいた後、伊方出身の俳人坪内稔典先生に最優秀句を含む優秀句(10句)を選んでいただいています。
【これまでの最優秀句】
※詳細は、本紙またはPDF版をご覧ください。
きらら館などの観光施設の投句箱には、佐田岬半島の風景を詠んだ俳句が毎回沢山入っています。私たちにとっては見慣れた何気ない風景であっても、観光、あるいは移動のために佐田岬に立ち寄った方々には、この半島はとても魅力的な場所に映るのだと思います。今後も伊方町の魅力のアピールにも、佐田岬トーク(投句)を役立てていきたいと思っています。
また、町内の創作活動の刺激になるようにと、ねんてん先生(親しみを込めて、坪内稔典先生のことを皆様こう呼びます)をお招きしての吟行(風景を楽しみながら俳句を詠む活動)も毎年1回実施しています。第1回目は、ねんてん先生のふるさと九町地域や亀ヶ池を訪ねました。昨年度は、三机の須賀公園など瀬戸地域を回り、今年度は12月中旬に三崎地域で実施しました。名取や正野の石垣を見学し、「二名津わが家亭」で句会を楽しみました。遠くは千葉県や熊本県、松山市など、町内外から34名もの方々に参加していただきました。
【句会での最優秀句】
※詳細は、本紙またはPDF版をご覧ください。
時折、「初心者には俳句は難しい」という声を聞きます。季語を使うのは難しいと思われがちですが、その季節に関係のあるものを何か入れるくらいの意識でよいと思います。〈つわぶきはふるさとの花母の花〉これは、ねんてん先生の俳句です。「覚えやすいことも俳句の面白さ」と先生は言われます。このように、普段使っている言葉を五・七・五にして口ずさんで楽しむのが俳句の面白みです。ちなみに、第1回目の最優秀句〈つわぶきの子ら青石垣で寄り添って〉の作者はペンネーム通りの正真正銘の俳句初心者さんでした。実は、私たちは、無意識のうちにこの五七調や七五調に馴染んでいます。『北の宿から』という阿久悠作詞の有名な歌謡曲がありますが、あの歌詞を思い出して、指折り数えてみてください。
伊方町教育委員会では、今後もこの活動を継続する予定です。令和7年は、より多くの町民の皆様から投句していただけるようにPRしていこうと思っています。町内の様々な施設に投句箱を設置していますので、これまで投句したことがない方も、この機会に、ぜひ投句してみてください。結果が掲載される広報「いかた」を読む楽しみも増えると思います。さらに入選者には賞品(図書券や伊方の特産品)もご用意しております。
入選するためのポイントをひとつだけ。「嬉しい」、「悲しい」、「楽しい」などのような、自分の気持ちを表す言葉は使わないこと!
最後になりましたが、この活動が10年、20年と長く続きますよう、皆様のご理解とご支援をよろしくお願いいたします。
(文責 伊方町教育委員会事務局 生涯学習係 佐田岬トーク担当者)
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