■介護の仕事って?
厚生労働省の「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」によると、全国の介護職員数は2000年度には約55万人でしたが、2022年度には約215万人に増加しています。また、2026年度には約240万人、2040年度には272万人の介護職員が必要とされていますが、必要数を満たすことは難しい状況です。これは八幡浜市も同様で、介護職員の不足が課題となっています。
今回の特集では、年を重ねてもできるだけ長く住み慣れた地域で、その人らしい生活が続けられるように、主に自宅での生活を支える介護の現場で働いている方々の声をお届けします。
■介護の仕事ってどんなものがあるの?
自宅での生活を支える代表的な「介護の仕事」を紹介します。
○介護職員
デイサービスセンターなどで食事や入浴、排せつなどの介助やレクリエーション、外出支援などを行います。
○ホームヘルパー
自宅などに訪問して食事や入浴、排せつなどの介護や掃除、洗濯、買い物、調理など日常生活上の援助を行います。
○ケアマネジャー(介護支援専門員)
介護の知識を幅広く持った専門家。利用者や家族の相談に応じ、各種サービス事業者との調整を行い、介護の計画書を作成します。
◆デイサービスセンター 日土のめぐみ
坂本さん:ここでは利用者さんの入浴や食事などの介護のほか、レクリエーションや手作りのゲームを行っています。僕はこの仕事が一番好きですね。人と関わることが大好きなんです。人の痛みや気持ちなど相手がどう感じているかを考えながら接しています。
◆居宅介護支援事業所 八幡浜市社会福祉協議会
前田さん:ケアマネジャーの仕事は、自分の人生も豊かにしてくれるんですよ。利用者さんは「人生の先輩」ですから。仕事を通してケアマネジャー同士で語り合うことも勉強になります。
戸田さん:この仕事の魅力は、いろいろな人と出会えることですね。また、利用者さんとの昔の思い出話はとても楽しいです。
◆株式会社コモダ ジェネシス南予訪問介護事業所
吉見さん:「ありがとう」と言ってもらえることが嬉しいです。仕事を通して人間関係を教えてもらっていると思います。
◆西安 ヘルパーステーション・デイケア・居宅介護支援事業所
宇都宮さん:利用者さんに「ありがとう」と言ってもらうことが最大の誉め言葉ですね。
井関さん:帰られる時に「楽しかった」と言ってもらえるのが一番の喜びです。子育てと仕事の両立もしやすく助かっています。
竹中さん:居宅介護支援事業所のケアマネジャーは、自宅で生活している方がどのような生活を送りたいかというところから始まります。一人ひとり違う暮らしや人生に寄り添っていく、とてもやりがいのある仕事です。
◆デイサービス あったかいご
松末さん:利用者さんから「ありがとう」「ご苦労さま」と言っていただくことが励みになります。ここに通って、体も心も元気になり、その人らしい姿が見られた時、この仕事をしていて良かったなと思います。
◆セントケア八幡浜
中越さん:高校を卒業してずっとこの仕事をしています。利用者さんから多くのことを学びました。
清水さん:介護の仕事に就いた今なら、自分の両親にもいろいろなことをしてあげられると思います。仕事を通して介護の技術を身に付けることは自分自身にも役立ちます。
◆社協ヘルパーステーション
井上さん:楽しいことばかりではないですが、感謝の言葉をもらった時に誰かの役に立てていることが実感できてモチベーションにつながりますね。
前川さん:より良い介護の提供ができるように仲間同士で定期的に話し合いをしています。
◆デイサービス オレンジハート
荒木さん:利用者さんが少しでも長く家で生活できるように考えています。皆さん、やはり家が好きですから。家にいても一人ですることがないと言う方も、ここではレクリエーションや会話を楽しんでいます。
◆デイサービス ようなるデイたけしケアプランセンター
宮本さん:地域に根ざした施設を目指しています。皆さんが自宅で生活し続けられるよう目標を持って仕事をしています。
二宮さん:学生時代のボランティアがきっかけでこの仕事に就きました。人と関わることが好きなのデイサービスようなるデイで、この仕事は楽しいです。
前上さん:ケアマネジャーの仕事は利用者さんがどんな風に自分らしく、どんな風に生活したいか、それを叶えていく、伴走者のような役割です。
■笑いあり涙ありの思い出
「ありがとうと言われると、こちらの心まで豊かになります。」
「人の役に立つことができて、それを毎日実感できる。とてもやりがいを感じます。」
「利用者さんと長い期間コミュニケーションをとっているとご家族も知らなかった思い出話やその方の生きてきた人生にふれることがあります。それをご家族に伝えたことがきっかけで、疎遠だった両者の関わりが増えてきたことがあります。家族の絆が戻り始めた時、自分の役割の意味と、この仕事のやりがいを感じました。」
「ご自宅で看取り介護をしたことがあります。その後の弔問の際、ご本人が生前好きだったものを持っていくとご家族から「そんなことまでしてもらうなんて。母は幸せです。」と言われた時に、改めて利用者さんのためにできることを精一杯したい気持ちが強くなりました。」
介護の現場で働く皆さんの言葉には、どれも利用者さんやそのご家族と笑い合ったこと、涙したことなど人との関わりの中で生まれた思い出が詰まっています。
■育まれる心の豊かさ
介護の仕事には大変なイメージがあるかもしれません。しかし、取材した皆さんは、利用者さんの話をする時はいつも笑顔。そんな笑顔からは、仕事に対するやりがいと前向きな想いが伝わってきました。
人と人とのつながりから育まれる心の豊かさ。それが介護の仕事の大きな魅力なのかもしれません。
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