■「こうのとりのゆりかご」から始まる第2の人生
市子育て支援課 山本 弘子
宮津航一さん。まだ20歳の大学3年生。3歳で「こうのとりのゆりかご」に預けられる。彼は自分の名前を公表し活動することにためらいはない。むしろ、公表することにより人々が関心を寄せることが、彼の想いのひとつなのだ。実際に講演を聴きに行った私がそうだ。
「こうのとりのゆりかご」の別名「赤ちゃんポスト」という呼び方に、命の重さを軽く量られたように感じ、また一方では、命が助かってよかった、とも思っていた。その第1号であった彼の講演を聴きながら、確信をもったことがある。実父母であろうとなかろうと、愛情をもって育てられた子どもは愛情をもった子どもに育つということだ。里親の宮津夫妻は彼に愛情を注ぎ、何も隠さず前向きに生い立ちを伝えてきている。このことで自分の中に落としこみ、自分を知ることができたと彼は言う。愛情を受けること、自分自身を知ることは「今、生きているということ」「自分は大切な存在なのだ」ということを実感として受けとめ、自分の命を守ることに繋がるのではないだろうか。
彼は「子ども食堂」「子ども大学」など様々な活動を行っている。子どもの環境が多様化する中で、今後、さまざまな取り組みが行われてくると思うが、その取り組みの全てが「子どもが真ん中」であってほしいと切実に願う。
会の終わりに、彼が今までいただいた手紙の中にあった、好きな詩を紹介してくれた。
※詳しくは本紙をご覧ください。
今後の彼の活躍を期待するとともに、自分が身近でできることを考え、取り組んでいきたい。
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