■世界最大級の国際ロボット競技会
11月28日から30日にかけてトルコのイズミルで「WRO※1 2024 トルコ国際大会」が開催されました。WROとは、世界95以上の国と地域の学生が参加する世界最大級の国際ロボットコンテストです。この国際大会のロボミッションシニア部門にて、日本代表として八幡浜工業高等学校電気技術科3年生の帽子明輝さんと山下統真さんが組むチーム「YTHS 2BY※2」が出場し、見事優勝を果たしました。
昨年出場したパナマ国際大会最終日では、予期せぬアクシデントからリタイアとなり、結果は16位。その悔しさをバネに、機体やプログラムの改良など試行錯誤を繰り返し、今大会に懸ける意気込みは並々ならぬものでした。
自分たちの可能性を信じて優勝をつかみ取った2人と、彼らをずっと支え続けてきた近藤先生へのインタビューを交えながら大会の様子を伝えます。
※1 World Robot Olympiadの略
※2 Yawatahama Technical High SchooL(八幡浜工業高等学校)の頭文字と、帽子さん・山下さんの2人組チームという意味
■ミッションは「災害後の復旧」
今大会のテーマは「地球同盟」。開催国トルコでは2023年2月6日にM7.8を記録した大地震があったことから、ロボミッションシニア部門のミッションテーマは「災害後の復旧」でした。基本ルールでは、世界中の子どもたちに遊ばれている「レゴ」で家やガレキ、水道管に見立てたブロックが各所に配置され、それらを指定の場所に運ぶ正確さとスピードを競います。競技初日には基本ルールに加えてサプライズルールが追加発表され、通常動かさないブロックを動かすなどの対応を迫られます。しかし、ここまでは想定内。2日目はセカンドデイチャレンジといって今までの常識が覆される全く新しい難題が当日に発表されます。この無理難題に対応するための作戦立案やプログラミングの書き換え、機体整備、試走の時間には制限が設けられています。また、説明は全て英語で行われ、選手とコーチは競技中、一切の接触を禁じられており、相談もできません。2人は、お互いと日々の練習を信じて挑戦し、トラブルを乗り越えて優勝をつかみ取ったのです。
■ロボミッション シニア部門 基本ルール
○主なミッション
街に見立てたゲームフィールドで、指定の課題をクリアする
(1)ガレキの除去
4か所に転がっているガレキをフィールド左下の収集エリアに押し出すように運びます。このエリアに触れていないとポイントは加算されません。
(2)水道管の復旧
水道管に見立てた黒いバーを、機体の左右に取り付けた丸型のジャバラスティックで跳ね上げて再接続することでポイントが付与されます。
(3)家の再建
家に見立てた16個のブロック(赤黄青緑×各4個)を回収し、中央の着色エリアに積み上げます。積み方や段数(最大4段)によってポイントが違います。障害物にも対処しながらいかに効率良く多くの課題をこなせるかが鍵となります。
チーム「YTHS 2BY」が世界の頂点に立つまでの軌跡をご覧ください。大会当日の様子は必見です!
※詳しくは本紙をご覧ください。
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