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〔特集〕子どもたちとつなぐ伝統(2)

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愛媛県内子町

■地域に根付くのは伝統と、守りたいという熱意――守り継ぐ人たち
伝統行事の再出発には、伝統を守りたいと願う地域の皆さんの思い、そしてさまざまな苦労もありました。新しい挑戦となった祭りを振り返り、伝統芸能の保存団体の皆さんと、立派な舞や演奏で応えた子どもたちに話を聞きました。


◆楽しくやるのが一番――獅子舞を皆さんに知ってほしい
立山獅子舞芸術保存会 会長 名本 繁明(しげあき)さん
去年から保存会の会長をしています。20年ほど前に私が獅子役、息子たちが老夫婦役として親子で出演したのを思い出します。その時にしかできない経験なので、地区外から来てくれる子どももその親も、ぜひ一緒に獅子舞に挑戦してほしいです。
練習は夏休み中から始まりました。年によってメンバーも配役も変わるので、その時々で個性があって面白いです。お宮に来る人も年々減り、獅子舞を見たことがない人もいると思うので、できればいろいろな場所で披露して皆さんに知ってほしいです。役員はみんながうまく回るようにするのが役目。いやいややってもうまくいかないので、楽しくやるのが一番です。大人たちが一生懸命楽しむ姿も、子どもたちの心のどこかに残ってくれたらいいですね。

○地元の獅子舞が毎年楽しみ
明星 琉海(りゅうかい)さん(立川小5年)
1年生の時に日本人役、今年は狩人役をしました。地域の人が「もっと力強く」とコツを教えてくれたので、意識して練習しました。自分の地域の祭りも獅子舞も毎年楽しみ。次はおじいさん役にも挑戦してみたいです。


◆大変さもあったけれど、皆さんの支えで実施できた
日之地社切り保存会 会長 井上 翔太(しょうた)さん
社切りの再開は人集めからでした。現在、日ノ地地区には小学生がいません。昔のしきたりで大人は49歳までとされ、保存会のメンバーは4人のみ――。それでも地域の人から「伝統行事をやってほしい」という声があり、小学校への呼びかけで地域外の子どもたちが参加してくれることになりました。保存会OBの協力もあり、なんとか実施できました。
初の責任者として練習の日程調整をしたり、お接待をしたりと、大変さも知りました。地区外から来てくれる子どもたちが楽しめるような雰囲気も心がけました。みんな笑顔で立派に行列を進めてくれて、ほっとしています。大変さも知った分、今後も続けたいと簡単には言えませんが、皆さんに久々の社切りを喜んでもらえて、うれしく思います。

○友達と楽しんだ初めての社切り
西側 糸(いと)さん(立川小5年)
今年の社切り子は初めて挑戦する子ばかり。みんなでリズムを合わせるのが難しかったけれど、練習も本番も友達と一緒に楽しくできました。きれいな衣装を母が「似合ってるよ」と言ってくれて、うれしかったです。


◆人と地域をつないでくれる祭りの良さを再認識
立川三島神社御供相撲 代表 久保 秀文(ひでふみ)さん
御供相撲には小さい頃から当たり前のように参加していました。獅子舞や社切りも同じように、秋祭りの行事のひとつとして参加する子どもたちは何となく誇らしげな気持ちだったように思います。そんな伝統行事がコロナで中止になったときは、とてもさみしい気持ちでした。
今回、初めて女の子が行司として参加してくれました。口上を述べ、最後を締めくくる大切な役割です。小さな子が一生懸命頑張る姿をみんなが応援してくれていて、私もうれしかったです。また地元出身の子が町外から手伝いに帰ってきてくれるなど、行事は人と地域とをつないでいるものでもあります。4年ぶりのにぎやかな雰囲気を地域のみんなが喜んでいて、「やっぱり祭りはいいな」と改めて感じました。

○みんなが優しく教えてくれた
仙波 美咲(みさき)さん(立川小2年)
行司の長いせりふを覚えるのに、たくさん練習しました。難しい言葉の意味は家族と調べました。大人の人たちが優しく教えてくれて、本番はうまく言えました。みんなに「頑張ったね」と言ってもらえてよかったです。

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