「人として」
山本 昌德(まさのり)さん(22)[上川中央]
皆さんに見てほしい映画があります。『ラーゲリより愛を込めて』という作品で、第二次世界大戦後、シベリアの強制収容所で労働を強いられた日本人捕虜の話です。生きるよりも死を選びたくなるほど過酷な状況で、「愛する人の元へ帰りたい」という強い気持ちを原動力にして懸命に生きる主人公たちに、私は強く心を打たれました。
作中で、ある日本人捕虜が大切な恋人や家族を失い、生きることや考えることをやめそうになる場面があります。絶望する彼に「それでも必ず希望はある、今はつらくても生きることを諦めないで」と訴える主人公――。この前向きな言葉や行動に他の日本人捕虜も勇気付けられ、最終的にはたくさんの捕虜たちが帰国することができたのです。
この映画を見て、どんなにつらいときでも、大切な人を思い信じること、前を向き続けることで道は切り開け、新たな希望が生まれるのだと思いました。主人公たちが家族と交わした「必ず帰国する」という約束のために一生懸命生きて、困難を乗り越える中で生まれた絆に、本当の「愛」を考えさせられました。しんどいから楽な方に逃げるのではなく、そんなときこそ自分の信念を見つめ直したいです。
人が愛し合い信じ合うこと、生きることの尊さは、時代が変わっても人の心から無くしてはなりません。子どもたちや人生に悩む人たちにも、この映画の思いが伝わるといいなと思います。私も今まで出会った人やこれから出会う人を大切にするとともに、感謝を忘れず、地味でも一生懸命生きていきたいです。
次は、中田英子さん[下臼杵]にお願いします。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>