■内子町国際交流協会が目指すもの――
「住んでいてよかった」と思えるまちづくりのための人づくり
国際交流協会の設立にあたり設立準備プロジェクトメンバーとして奔走し、現在は同協会副理事長を務める横田光敏(みつとし)さん。30年の歩みを振り返り、国際交流の魅力と、協会の存在意義について語ってくれました。
◆皆さんのための国際交流協会でまちも心も豊かにする出会いを
内子町国際交流協会
副理事長 横田光敏(みつとし)さん
○30年を振り返って
この30年を振り返ると、「子どもたちのために」と寄付をいただいた町内外の皆さん、企業の皆さん、運営に携わり知恵を貸していただいた先輩など、多くの人に支えられてきたことを改めて実感します。発足当初、まだ子どもが小さかった私は「この子が大きくなるまで続いていくだろうか」と不安もありました。しかし今では第1回の派遣生が引率者として子どもたちをバックアップするまでになりました。皆さんのご協力への感謝と感慨深い思いでいっぱいです。
○外の視点がまちを豊かに
町外からUターンした私はあるとき、咲き誇る桜が水面に映る何気ない風景に、思わず心を奪われました。妻に「何を都会ぶって」と言われてしまいましたが、10年ほど町外にいた私にとっては、当たり前ではありません。外を知れば外の、他人を知れば他人の視点で物事を見つめられます。比較対象が増えることは自分自身で幸せを見つけることにもつながるし、「幸せ」と感じる価値観を、誰かからもらうことだってできます。よその視点は自分にも、地域にとっても大切な財産となるはず。次の世代がまた面白い価値観を作ってくれるのも楽しみです。
国際交流の魅力は、自分以外の「外」の視点を得られること。町内でもさまざまな交流の機会をつくることで、内子にいながら外とつながり、内子というエリアのボーダーを取り払ってくれます。小さな取り組みの継続と、そこで得るものの積み重ねが、ワクワクするまちづくりにつながると信じています。
○まちづくりは人づくり
国際交流協会はまち全体のもので、住んでいる皆さん一人一人のためにあります。協会の理念は「まちづくりは人づくり」。住んでいてよかったと思える内子町を目指し、まちづくりを担う人づくりとして、さまざまな学びを得るために協会を活用してください。海外派遣事業はその取り組みの一つ。派遣生がそれぞれの内側に積み上げていってほしいと思います。そして将来、自らの考えで行動していく中で、それぞれの立ち位置で、ふるさと内子に思いを向けてくれたらうれしいですね。
30年前、内子の将来のためにと多くの人が知恵を出し合い、資金を寄せて設立された内子町国際交流協会。県内で3番目という早さで立ち上がった組織には、まちの皆さんの未来への大きな期待が寄せられていたことが分かります。横田さんは「協会設立の趣旨を伝えて回り、多くの協力を得ることができたのは、学びや頑張りを後押ししようという土壌が内子町にあったから」と当時を振り返ります。
10代の多感な時期に得られた海外での学びは、派遣団の皆さんの心にたくさんの刺激と温かな思い出を残してくれたことが、OB・OGの皆さんの話からも伝わってきます。彼らが派遣先で深めた友好関係が輪となって、私たちとローテンブルク市との距離をまた一歩、縮めてくれているのではないでしょうか。今後も内子町国際交流協会では30周年を記念した催しが予定されています。ぜひ皆さんも国際交流の輪に加わってみませんか。
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