「もうひと踏ん張り」
一宮成子(せいこ)さん(58)[上重松]
私もとうとう体調を気遣うお年頃となりました。毎日欠かせない血圧の薬、さっそうと歩こうにも痛む膝。週に2回やっていたバレーボールも行けずにいます。こんなこと妊娠・出産以来です。まだまだやりたいことがいっぱいあるというのに――。
仕事の合間にする野良仕事は私の楽しみの一つです。春にはタケノコを掘ってあくを抜き、秋には収穫した栗をむき栗にして、兄弟や叔母に送ります。「送ったよ」「届いたよ」のやり取りがうれしくて、毎年続けています。10年ほど前からは、家の裏山の荒れた竹やぶが気になって、自分流で竹林整備を始めました。慣れない最初の頃は、のこぎりで太い竹を切り終えた瞬間、滑り落ちる竹と共に、私の体がくるりと宙を舞ったこともあります(笑)。当時は体じゅう青あざだらけでした。余談ですが、私は夏は竹やぶには入りません。ヘビに出くわそうものなら、重松地区じゅうに響き渡る悲鳴を上げる自信があります。
還暦を目前にした今、私より3つ上の主人の朝は早く、4時ごろには起き出します。といっても、夜8時には布団に入っているので、睡眠時間は十分です。6時過ぎ、他人様にはとてもお見せできない愛妻弁当を持って出勤します。近年のこの猛暑には、本当に参ります。どうか今日も無事に帰ってきますように。
さあ、私も汗の吹き出す顔に化粧をして、ちょっと、いや、だいぶくたびれた体にむち打っていざ出勤、行ってきます!
次は、船田英美さん[平成]にお願いします。
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