■5.町債―町の借金―
◆町の借金残高は111億1,475万円 大きな事業の財源に充当し、今後の利用者にも公平に負担
町債は大きな事業をするために借り入れるお金です。小中学校エアコン整備事業に1億3,800万円、五十崎小学校プール改修工事に4,600万円の他、施設や道路の整備、災害復旧などに合計13億623万円を借り入れました。一方で12億2,085万円の元金償還を行いました。町債残高はこの数年は減少傾向でしたが、5年度は水道会計の借入額が増加したことなどから、前年度より8,538万円増加しました。
○町民1人当たりの借金
74万2,022円
○町債残高の推移
■6.基金―町の貯金―
◆町の貯金残高は82億191万円 不測の事態に備えて計画的に運用
基金は歳入から歳出を引いて残っている金額があった場合に積み立てし、臨時の出費や財源不足が見込まれる場合に取り崩して事業費に充てます。5年度は「森林環境譲与税基金」から森林整備事業などに4,000万円、「公共施設整備基金」から五十崎自治センター空調工事などに3億710万円など、合計4億8,946万円の支出。一方で内子町地域振興基金などに合計4億3,977万円を積み立てました。
○町民1人当たりの貯金
54万7,561円
○基金残高の推移
■7.健全化判断比率・資金不足比率
5年度の実質的な赤字や将来負担などに係る指標「健全化判断比率」と、公営企業ごとの資金不足がどの程度あるかを示す「資金不足比率」をお知らせします。内子町はどの指標も基準を下回り、良好な状態にあります。
◆健全化判断比率※1
○内子町の財政状況は「健全段階」
一般会計などを対象とした実質収支は黒字です。全会計で資金不足はなく、安心できる状況です。「実質公債費比率」「将来負担比率」も国が定める早期健全化基準以下で、健全性を保っています。
◆資金不足比率
○すべての公営企業で資金不足はなく「安心」
公営企業ごとの資金の不足額が、事業規模に対して、どの程度あるかを示します。内子町は全ての公営企業で資金不足はなく、財政の健全性を保っています。
「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」により、地方公共団体は毎年度、実質的な赤字や将来負担などにかかる指標(健全化判断比率)と、公営企業ごとの資金不足率(資金不足比率)を議会に報告し、公表することとされています。
○用語の解説
※1健全化判断比率…財政の健全度を表すもの。財政状況に応じて「健全段階」「第1段階」「第2段階」に区分される。
※2実質赤字比率…一般会計などの、標準財政規模に対する歳入総額から歳出総額を差し引いた額の割合。標準財政規模とは、普通交付税など、標準的に収入しうる経常一般財源の大きさをいう。
※3連結実質赤字比率…全会計の赤字額から黒字額を引いた額を、標準財政規模で割った比率
※4実質公債費比率…全会計と町が加入する他団体の会計で、標準的に収入しうる税金や地方交付税などのうち、借金の返済に使われている割合。(3カ年平均で表す)
※5将来負担比率…内子町が背負っているすべての借金の大きさを示す割合。
■決算審査意見
赤穂英一(えいいち) 代表監査委員
菊地幸雄(ゆきお) 監査委員
5年度の一般会計、特別会計および公営企業会計の決算審査は、地方自治法第233条、地方公営企業法第30条および内子町監査基準に基づき、決算資料などを中心に、関係書類の審査、関係職員からの聴取、財務監査や前年度決算審査における指導事項などへの対応状況の確認も含めて実施した。加えて抽出した工事については、書面監査と現地監査を実施した。
その結果、各会計の決算書および関係調書などは、予算ならびに関係法令に準拠して作成されており、誤りのないものと認めた。工事も適正に施行されていた。
町税、国民健康保険税、貸付金、負担金、使用料などの滞納は、厳しい経済と高齢化の状況下で職員一丸となって日々の滞納整理に取り組んだ結果、対前年度比で1086万1000円の増加にとどまっている。引き続き法令に基づき初期対応に積極的に取り組み、現年分の徴収が収入未済とならないよう努めるとともに、過年分を含め、その解消に一層努力されたい。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>