■子どもや若者にも増えている「糖尿病」予防のために日々の生活を見直そう
○さまざまな合併症につながる「糖尿病」
糖尿病とは、血液中のブドウ糖(血糖)が多くなり過ぎた状態が続く病気です。通常、食事をすると血糖値が上がりますが、糖を細胞に吸収するためにインスリンというホルモンが分泌され、次第に血糖値は下がります。しかし、細胞にたまった脂肪の影響でインスリンが効きにくくなったり、加齢によって分泌量が減ったりすると、高血糖が続いてしまいます。この状態は血管を傷つけ、さまざまな合併症を引き起こす原因になります。
糖尿病の3大合併症は「神経障害」「網膜症」「腎症」です。さらに脳卒中や心筋梗塞など、命に関わる病気につながることもあります。糖尿病患者の寿命は平均より約10歳も短いというデータもあり、恐ろしい病気です。
○こんな人は特に要注意
糖尿病の原因は肥満、運動不足、糖質の取り過ぎなどです。近年は食生活の欧米化で摂取カロリーが増え、子どもや若者の患者も増えています。また日本人は欧米人よりインスリンの分泌量が少なく、糖尿病になりやすいといわれています。
糖尿病は初期段階では自覚症状がありません。知らないうちに進行している場合があるので、「今は元気だから」という人も油断はできません。早期発見のためにも毎年、健診を受けましょう。
○予防のポイントは食事と運動
糖尿病には食事の仕方や運動が大きく影響します。普段から次のことに気を付けましょう。
(1)食事
・よく噛んでゆっくり食べて、腹八分目
ゆっくり食事をすることで食べ過ぎを防ぎ、血糖値の上がり方を緩やかにできます。
・1日3食、バランスよく食べる
朝食を抜くと直後の食事で血糖値が急上昇します。間食は高血糖が続く原因にもなります。
・「極端に減らす」「食べない」はNG
極端に糖質制限をすると、たんぱく質がエネルギーとして消費されて筋肉量が減り、基礎代謝が下がって痩せにくくなるので逆効果です。
・まず野菜から食べる
野菜を先に食べると糖の吸収が穏やかになり、同量の食事でも血糖値の上昇を抑えられます。
(2)運動
日常的に運動をすると、ブドウ糖をすぐ消費できる、インスリンが効きやすい体質になる、血圧が下がるなどして、糖尿病のリスクを減らせます。普段の生活に少しずつ取り入れてみましょう。
・徒歩で通勤する
・普段よりも遠回りをする
・家事をこまめにする
・エレベーターではなく階段を使う
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