「それぞれの季節をおいしく元気に」
伊達邦明(くにあき)さん(69)[小田上]
私は12年前、母の認知症が進んできたこともあり、定年まで3年を残して勤めていた郵便局を退職しました。それまでの時間に追われる毎日から解放され、天気や自分の都合で大方のことがやれるようになりました。
家には広くはないけれど畑があります。ずっと前から野菜は作っていましたが、退職を機に本腰を入れてやろうと入門書を買ってきました。NHK Eテレの『やさいの時間』の講師が書いたもので、テレビでも野菜の育て方が見られ、初心者には大変役に立ちました。それでも「土を作って、種まきや苗植えさえすれば大きくなる」と頭のどこかで思っていたので、ラディッシュなどは葉っぱをきれいに虫に食べられ、哀れなものでした。今はジャガイモやサツマイモ、里芋、大根などの根菜は、満足いくものが取れ始めました。内子高校小田分校の寮生に月2回食事を提供している、通称「おばちゃん食堂」でも使ってもらっています。
太陽をいっぱい浴びた野菜はやっぱりおいしい。大根はちょっと苦味があり、子どもの頃はそんなに好きではなかったけれど、今はおいしく食べられます。おでんで煮込んでいくと苦味が溶け出し、練り物から出る塩分と合わさって、皿の底にたまるつゆ、これがまたおいしいのです。
これから葉物野菜や夏野菜も上手に作れるようになって、それぞれの季節をおいしく元気に過ごしたいです。
次は、宮内和人さん[寺成]にお願いします。
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