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〔特集〕Special Feature 農家の若造が拓く遊休農地の未来(1)

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愛媛県内子町

内子町の山あいに響き渡るトラクターのエンジン音。そこには畑を耕す若いらの姿があります。ここはかつて葉タバコ畑として栄えた農地でしたが、後継者がいなくなり長年、手つかずの遊休農地でした。
少子高齢化や農業の担い手不足により、増え続ける遊休農地は、まちにとって大きな課題です。そんな中、「自分たちのふるさとを守りたい」と立ち上がった若いしらがいます。「内子町青年農業者協議会」(通称、農家の若造)の皆さんです。
今回の特集では農業の担い手として、地域の担い手として、奮闘する彼らの姿と思いに迫ります。

■地域への思いと農業への情熱が畑を耕す原動力
◇遊休農地を蘇らせる農家の〝若いし“ら
草刈り機やチェンソーを手に畑で作業するのは農家の若造の皆さんです。町内で農業をする20~40代の若者で結成されたグループで、遊休農地を再生し、次世代につなぐ活動「遊休農地再生プロジェクト」を3年前から行っています。現在、メンバーは12人。野菜や果樹栽培、畜産などをする農家が集まっていて、それぞれが忙しい合間を縫って活動しています。

◇地域の課題に直面
プロジェクトを始めたきっかけは、内子町の農家数と経営耕地面積の推移を、農家の若造で独自に調べたことです。2005~2020年までの15年間で農家数は約750戸も減少し、経営耕地面積は約600ヘクタールも減少していることが分かりました。この減少率をもとに計算すると、2030年には農家数が約1070戸、経営耕地面積は約600ヘクタールにまで減ると予測されます。遊休農地が増えると、ふるさとの景観の悪化や鳥獣被害の増加、就農の妨げにもなります。まちの課題に直面し、危機感を抱いたメンバーは「自分たちに何かできないか」と立ち上がったのです。

◇新規就農者へバトンをつなぐ
活動では、まず農家の若造で遊休農地を借用。草刈りをしたり、緑肥を活用したりして、畑本来の姿に戻します。きれいにしても耕作者がいなければ、またすぐに遊休農地へと逆戻り。考えたのが、役場と連携し、新規就農希望者へ農地を紹介することです。会長の上岡雄介(ゆうすけ)さんは、「遊休農地を一から耕すのは大変で、個人でやると時間もお金もかかる。すぐに耕作できる農地があれば、就農しやすい。一緒に農業をする仲間が増えるのが理想」と目を輝かせます。遊休農地再生プロジェクトは、農業への情熱と地域を思う農家の若造たちの優しさから始まりました。

■遊休農地を再生し、次世代へ――ふるさとを継ぐ農家の若いしら
「遊休農地再生プロジェクト」のすてきなところは、再生した後、次世代につなぐ仕組みまで考えられているところ。農業を始める仲間たちを増やし、支える。農業がこの地域にずっと続いてほしいという農家の若造の思いが込められています。

(※詳細は本紙をご覧ください。)


遊休農地再生プロジェクトの流れ
・「農家の若造」が遊休農地を借用

・きれいに耕す

・土壌診断による農地の分析

・緑肥で土壌改良試験実証農地として活用
・役場と連携しながら活動
農地を探す新規就農希望者などに、候補地として紹介する

農業をする仲間が増えるのが理想


内子町の農家数と経営耕地面積の推移

※農家の若造調べ

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