FROM ME TO YOU みんなでつないでリレーエッセイ

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「小田寮の舎監になって」
大鍋紀子(のりこ)さん(56)[水地]

高齢化と過疎化が進む小田地域に高校生の声がします。まちを歩く小田校生、地域のイベントに参加する小田校生、なんとすてきな光景でしょう。
2人の息子が県外に就職し、病気の父を看取り、少し抜け殻になった頃に小田分校の寮の舎監をやってみないかと声をかけてもらいました。人見知りの性格ですが、子どもを預ける親御さんの気持ちも分かるし、誰かの役に立つ仕事もいいかなと、月に数回のペースで始めて気付けば今年で3年目になります。女子寮で点呼をとったり、日誌をつけたりしながら生徒たちの成長を見守っています。
小田寮には北海道から沖縄県まで、いろいろな地域からたくさんの生徒が集まっています。中学校を卒業したばかりで親元を離れるのは不安もあるだろうに、勇気を出して小田分校を選んで来てくれたみんなが愛おしく、心の中で「頑張れ、頑張れ」と応援しています。寮生はペットの写真を見せてくれたり、ふるさとのおばあちゃんが作ったお菓子をお裾分けしてくれたり、好きなアーティストの話をしてくれたり――。息子しかいない私にとって、かわいい娘ができたようで、うれしさや刺激をもらっています。
地域と学校が協働し、多くの人たちが一丸となって子どもたちを支えています。私もその一員として微力ではありますが、寮生が立派に巣立っていけるように見守り、寄り添っていきたいです。さあ、今年はどんな生徒たちと出会えるのでしょうか。楽しみに待っています。

次は、露口仁志さん[吉野川]にお願いします。