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きらびと vol.9

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愛媛県四国中央市

著書『丁寧な暮らしをする餓鬼』が日本漫画家協会賞 受賞!

■漫画家 塵芥居士(ちりあくたこじ)
1984年中之庄町生まれ
東京都在住
三島幼稚園→中之庄小→三島西中→済美高(美術科/松山市)
大学卒業後デザイナーとして就職。その後独立し10年間フリーランスでWEBデザインを手掛ける。
2019年『あおのたつき』で漫画家デビュー。同年Twitterで『丁寧な暮らしをする餓鬼』を投稿開始。2022年同作品が第51回日本漫画家協会賞カーツーン部門大賞受賞。2023年笑顔のえひめ文化・スポーツ賞(文化)受賞

■ツイッターの投稿が日本漫画家協会賞に!?
すでに連載が始まっていた『あおのたつき』のキャラクターを考えている中で、なんとなく餓鬼(ガッキー)を描きました。当時、SNSで「丁寧な暮らし」を発信する人が多く、そこに見える承認欲求に注目して誕生したのが『丁寧な暮らしをする餓鬼』です。ちょうどお彼岸だったので、ネタ的にツイッター※に投稿したことが始まりでした。
実は、最初に反応してくれたのはお坊さんでした。お経が添えられてリツイートされていたので、最初は「怒られてる⁉」と焦りましたが、餓鬼に食事を施し供養する「施餓鬼(せがき)」というお経だと知って安心しました(笑)。そこから檀家さんの間で広がっていき、投稿から1か月後にはフォロワーが4万人を超えていました。

■ガッキー=ツイッター
基本的に作中でガッキーの表情は変わりません。顔の向きも同じです。描くのが面倒というのもあるのですが(笑)、ツイッターのアイコンってツイートの内容によって変わったりしませんよね。それと同じです。「周りに認められたい」という承認欲求の餓鬼として描かれたガッキーは、ツイッター、そして「私」から、生まれるべくして生まれた存在だと思います。

■私も認められたかった
子どもの頃から絵を描くことが好きでした。漫画家になりたくて、小学生の頃には自分で作った漫画を持って即売会に参加していました。大学在学中のデビューが叶わず、デザイナーとして就職したのですが、そこでデザインの楽しさを知りました。自分の仕事が評価されるようになったとき「漫画でなくても良かったんだ」と思いました。
子どもの頃、勉強が得意ではなく、友達も多い方ではなかった私にとって漫画は、周りに認めてもらうための「手段」だったんだと思います。漫画家としてデビューした今でも、自分の肩書きは「デザイナー」とか「アートディレクター」の方がしっくりきます。

■漫画家を目指す人へ
漫画を描く上で大事なことは「伝えたい」という気持ちと「楽しませたい」という気持ちです。漫画はエンタメです。人に楽しんでもらうことが好きでなければ、ゴールにはたどり着けません。漫画を通して自分が好きなものをプレゼンしたいと考えている人の作品が、多くの方に届くのだと思います。好きなことを見つけてください。私にとってそれは「デザイン」でした。

■ふるさと四国中央市
料理が好きで、帰省すると必ずスーパーの鮮魚コーナーに行きます。東京では見ない魚介類を見つけるとうれしくなって、それが何か知らないまま買って帰ります。ミミイカをニンニクと炒めたらとても美味しかったです。墨袋を取るのを忘れて真っ黒になりましたが(笑)。
中学時代は眩しくて暑くて嫌だった燧灘に沈む夕陽が、今はとても好きです。地元を離れて気付いた魅力の一つです。

■ガッキーで地方を元気に
漫画としての『丁寧な暮らしをする餓鬼』は完結しましたが、ツイッターで繋がった地方の伝統工芸とのコラボが進んでいます。餓鬼を通じて地方の素晴らしい技術や名品を知ってもらい、地域にお金が落ちるようにできればと考えています。
私が好きなデザインで、地方創生ができればうれしいです

▽『丁寧な暮らしをする餓鬼』(全3巻 KADOKAWA)
コーヒー豆を半日かけてすり鉢ですったり、ビニール袋を三角形に畳んだり…。優しく心の清い餓鬼「ガッキー」が送る丁寧な生活を描いた四コマ漫画。
日本漫画家協会賞カーツーン部門大賞受賞

▽『あおのたつき』(安達智(さと) 名義)(1~11巻 マンガボックス/コアミックス)
江戸最大の遊廓・新吉原で、気がつくと見知らぬ神社に迷い込んでいた、売れっ子遊女のあお。そこは浮世と冥土のはざま『鎮守の社』だった…!
漫画アプリ「マンガボックス」で連載中

※ツイッターは、現在名称が「X」に変更されていますが、本ページでは投稿された当時の名称を使用しています。

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本紙にある二次元コードよりご確認ください。

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