遺跡はぼくらのあしもとにある
■「遺跡」という言葉から何を思い浮かべるでしょうか。
それは、どこか遠い異世界のことのように思うかも知れませんが、発掘調査では、遺跡は思いのほか身近な所から見つかります。
世界最古の木造建築である法隆寺に代表されるように、日本は「木」の文化といわれます。木は時間の経過とともに形を失い、土に還ることから、「石」の文化であるヨーロッパの石造物のように、建物跡がそのまま見つかることは、ほとんどありません。
妙な表現ですが、日本の発掘調査では、「土」の中に埋まった「土」を探すこととなります。例えば、建物の柱穴や竪穴住居跡などは、「土の色の違い」として認識されます。この違いを見極めながら掘り下げることで、土器などの遺物は昔の状況のままで発見できます。
上分西遺跡(上分町)から出土した愛媛県唯一の銅鐸「上分銅鐸」は、耕作土直下の柱穴をわずか3cm程掘り下げた所から出土しました。また、宝蔵寺跡(金生町下分)の官衙(かんが)倉庫群や下分馬木遺跡(金生町下分)の古代水田跡など、「土」の中から「土」を探す営みが、一つひとつ、歴史の1ページをよみがえらせてきました。
四国中央市発足20年。その間にも多くの遺跡が発見され、発掘されてきました。
そして、「遺跡」は今も私たちの「あしもと」に眠っています。
※官衙…官庁・役所のこと
問合せ:文化・スポーツ振興課
【電話】28-6043
■四国中央市歴史考古博物館 発掘調査速報展2023
10/24(火)~1/7(日)
▽展示解説会(ギャラリートーク)(予約優先)
日時:
10/28 SAT
12/16 SAT
10:00~11:00
▽発掘調査現場へテレポート!?(VR体験会)(予約優先)
日時:
10/28 SAT
11/18 SAT
12/16 SAT
11:00~12:00
※体験時間は一人10分程度の予定です
※VR機器の対象年齢にご注意ください
▽発掘調査された遺跡めぐり(要予約)
「今そこにない」遺跡をめぐる
日時:
11/11 SAT
10:00~12:00
▽鋳造体験×銅鐸発掘こぼれ話(予約優先)
発掘調査担当者が当時を語る
日時:
11/18 SAT
10:00~11:00
▽土器洗い体験(予約優先)
ホンモノの土器にふれる体験
日時:
11/25 SAT
10:00~11:30
▽発掘調査報告会1(予約優先)
遺跡は地下に眠る-近年の発掘調査成果-
市教育委員会 学芸員 中勇樹
日時:
12/2 SAT
11:00~12:00
▽発掘調査報告会2(予約優先)
遺跡を三次元で記録する-新たな発掘調査の記録GIS・SfM-
市教育委員会 学芸員 中勇樹
日時:
12/9 SAT
10:00~11:00
▽記念講演会(予約優先)
上分西遺跡の調査成果と弥生時代における海人の軌跡
愛媛大学埋蔵文化財調査室 柴田昌児教授
日時:
12/9 SAT
11:00~12:00
▽おやこでレッツ!考古学(予約優先)
博物館で「たからさがし」
日時:
12/23 SAT
10:00~12:00
詳しくはホームページに掲載
問合せ:歴史考古博物館 高原ミュージアム
川之江町2217-83
【電話】28-6260
(月曜休館)
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