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自治体の皆さまへ

CDO補佐官 鈴木邦和(くにかず)のDXのすゝめ(第12回)

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愛媛県大洲市

いま全国の自治体で、水道事業の経営が厳しくなっています。給水人口が減少する一方で、老朽化した水道管の更新に多額の費用が掛かることから、多くの自治体で毎年の収支が赤字となっていて、このままでは水道水の供給を続けられないため、水道料金を値上げする自治体が相次いでいます。
そうした中で、最近注目を集めているのが、AIを活用した水道管の診断技術です。これまでは、老朽化した水道管について、一定の使用年数が過ぎたら更新していく方法が一般的でした。しかし、実際には、水道管が設置されている場所の土壌や道路の有無など、さまざまな要因によって劣化度は変わります。そこで、1000種類近くの複合的な要因をAIで分析し、それぞれの水道管の破損確率を計算することで、水道管をより効率的に更新する技術が最近になって普及してきました。
老朽化した水道管は全国で15万kmを超えており、その更新費用は今後約30年間で33兆円以上掛かると試算されています。今回紹介したような技術を活用することで、この更新費用を少しでも削減できれば、将来的な市民のみなさんの負担も抑えることができるかもしれません。デジタル技術はみなさんの見えにくいところでも、市民生活に貢献する可能性を秘めているのです。

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