冨永裕貴牧場
冨永裕貴(ゆうき)さん
家に帰れば3歳、1歳、0歳の3人の男の子の父親。「僕は牛、妻は子育ての完全分業制で、妻には感謝しています」と苦笑いする酪農4年目の31歳。
■自分の努力に牛は応えてくれる
もともとは父親が酪農牧場を営んでいましたが、私は継ぐ気はなく一般企業に就職していました。結婚を機に、またこのふるさとで暮らそうと地元での就職先を探している最中に父親がけがをし、牛の世話が難しくなったこともあり、酪農にチャレンジしてみようと牧場を引き継ぎました。
幼い頃から動物好きで、牛舎に出入りして牛を育てる父の姿を見てはいましたが、いざ自分で育てるとなると勝手がわからず、右往左往する毎日でした。そのためか牛もストレスを溜めて体調を崩してしまうことがあり、迷惑をかけてしまいましたが、周りの酪農家の先輩や獣医さんなどに教えてもらいながら一つ一つこなしていくことで自信が付き、牛たちも順調に乳を出してくれるようになりました。現在は子牛も含めると130頭ほどを飼育し、毎日2,400kgの生乳を出荷しています。
牛は世話をすればするほど、それを分かってくれるかのように順調に成長し、よく乳を出してくれます。毎日手塩にかけて優秀な乳牛を育て、その子を残していくことで、生乳の生産量を維持しながらも、労働力の負担を減らせるように取り組んでいるところです。
いま、一番下の弟が同じ酪農家になろうと高校で畜産を学んでいます。いつかこの牛舎で素晴らしい乳牛を一緒に育てられる日が来ることを楽しみに待っています。
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