旧村上家住宅(主屋・付属屋・土蔵・貸家)
国登録有形文化財(建造物)
法人所有
旧村上家住宅は、主屋・付属屋・土蔵・貸家からなる町家建築で、肱南地区に所在します。
村上家は、江戸時代から「堀之内」の屋号で商売をしていましたが、とくに幕末から明治前期にかけては、特産品となる高品質の木蝋(もくろう)(和ろうそくなどの原料)製造によって、喜多郡でも屈指の豪商となります。なかでも7代目の村上長次郎(ちょうじろう)(1853~1919)は、大洲銀行の設立にも携わります。長年、頭取を務め、製糸業など地元産業の発展を支えたほか、愛媛県議会議員など公職も歴任することになります。
これらの建物は住居としての機能のほか、木蝋の店舗や作業場などとしての役割も果たし、村上家や大洲の木蝋製造の繁栄を今に伝えています。(7月号に続く)
(令和5年8月7日登録)
<この記事についてアンケートにご協力ください。>