旧村上家住宅(主屋・付属屋・土蔵・貸家)
国登録有形文化財(建造物)
法人所有
(6月号の続き)旧村上家住宅は、主屋(しゅおく)、付属屋(ふぞくや)、貸家(かしや)が横並びで志保町通りに西面します。主屋は「家内安全」の祈祷札(きとうふだ)から明治2(1869)年の建築とされるほか、貸家が江戸後期、付属屋が江戸末期の建築と推定されています。いずれも2階に接客用の座敷が設けられていることが特徴で、とくに主屋は整った正面外観を有し、大黒柱のある広い表土間、3室続き間の座敷など、豪商にふさわしい建築となっています。また、土蔵は明治中期頃の建築と考えられ、白漆喰塗(しっくいぬり)で下部に丁寧な海鼠(なまこ)壁を施し、肱川の浸水害を防ぐために1階の床が高くなっています。
これらの建物は、江戸後期から明治期にかけての豪商の町家建築について、その発展過程や大洲城下町の地域性をよく表しています。
(令和5年8月7日登録)
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