日本の選挙は、有権者が投票所に直接足を運んで、投票用紙に候補者や政党の名前を書きます。しかし、世界には選挙のデジタル化を進めている国があり、例えば世界で初めて国政選挙にインターネット投票を導入したエストニアでは、2005年からeIDカード(日本でいうマイナンバーカード)を活用して電子投票を実施し、今では、投票者の約半分がネット投票を利用するなど着実に普及しています。特に興味深いのは、近年は55歳以上の利用者が急増していることです。ネット投票で若い世代の投票率向上を期待する声が大きいですが、むしろ高齢世代の投票コストを下げるという効果が期待できそうです。
一方、ネット投票には課題もあります。例えば自宅からインターネットで投票する場合に家族が代わりに投票してしまうといった「なりすまし投票」はよく指摘される問題です。しかし、エストニアでは、選挙期間中であれば投票先を何度も選び直せる仕組みを採用し、こうした問題にも対処できています。
日本でも、まずは在外投票を中心にインターネット選挙を導入していくべきとの議論が進んでいます。今後、選挙のDXも進んでいくのか、注目していきたいですね。
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