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肱川とともにVol.3

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愛媛県大洲市

今回は、肱川がはぐくみ、肱川と共に歩んできた大洲の秋の風物詩「元祖大洲のいもたき」についてお伝えします。

■肱川の恵みと大洲のサトイモ
大洲地方は元来、肱川が運んでくる栄養豊富な土壌によってサトイモの栽培が盛んでした。大洲のサトイモは、やわらかくねっとりした食感、きめが細かく滑らかな口当たりが特徴で、食物繊維をはじめカリウムやビタミンB1が豊富に含まれています。また、他の芋類と比べても低カロリーであり、血圧を下げる効果やむくみなどの改善に効果があるとされており、健康にも良い野菜といわれています。それに加え水に強い性質を持っていて、肱川流域において度々発生する洪水により冠水しても成長し続けることなどが、大洲の伝統野菜となった一因であるといえます。

■大洲のいもたきの起源と観光化
大洲のいもたきの起源は約300年前の藩政時代までさかのぼります。大洲地方では、春と秋の2回、住民の寄り合い行事「お籠(こも)り」が行われていました。秋のお籠りでは、肱川の河原に収穫したサトイモを持ち寄り、鮎からとった出汁で炊いた鍋を食べながらだんらんのひとときを過ごしていたようで、この風習がいもたきの起源といわれています。サトイモの収穫時期である8月下旬から10月下旬頃までは、薄暮から日没にかけて川上からの涼風が秋の河原を吹き抜けます。カジカガエルが鳴き、川魚が水面を跳びはねる風情ある空間の中で、人々が凉をとりながら時間を忘れて愉(たの)しんでいた光景が肱川沿いのあちらこちらに広がっていました。
この「いもたき」を多くのみなさんに楽しんでもらおうと、昭和41年に観光事業化し、今日まで「元祖大洲のいもたき」として継続されています。最盛期の昭和50~60年代には、料理を提供する「いもたき登録店」も26軒を数え、会場の如法寺河原には大型観光バスが何台も止まり、年間5万人を超える多くの人でにぎわいました。
「いもたき」はまさに、肱川の恵みがもたらした伝統文化と言えるでしょう。

■今年のいもたきは?
8月30日(金)の初煮会から10月中旬まで、肱南ピクニックランドで行われます。肱川河原でのいもたきを体験したい人は、登録店までお問い合わせください。

〇初煮会
日時:8月30日(金)18:30~
場所:肱南ピクニックランド
いもたき販売には大洲農高の生徒たちも参加!

〇いもたき登録店
・うめたこ【電話】0893-25-0826
・たる井【電話】0893-24-4585
・にし川【電話】0893-24-4046
・よねざわ【電話】0893-24-2639
・むらや【電話】0893-24-4637
・大石フーズ【電話】0893-25-5620

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