川は生命を生み出し、産業を育み、そして憩いの場となり、人々に癒やしと和みを与えてくれます。大洲市では、「災害に強いまちづくり」「活力あるまちづくり」を目指し、従来の対策に加えて、流域全体で水災害に備える「流域治水」への取り組みを進めています。
■気候変動の影響
近年は気候変動による世界の平均気温の上昇に伴い、降雨量も多くなるといわれています。2015年のパリ協定では、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて2℃に抑えることを目標としました。
しかし、この目標が達成されたとしても、2040年ごろの日本の降雨量は全国平均で1.1倍、川に流れる水の量は約1.2倍、洪水の頻度は約2倍になると試算されています。
■気候変動に対応するために
肱川では、従来から進められてきた「肱川水系河川整備計画」に加え、雨水の河川流出を抑える貯留浸透施設の整備やダムの事前放流など、国、県、流域の市町や民間企業、住民も含めた上流から下流までのあらゆる関係者による治水対策を『流域治水プロジェクト』として進めてきました。さらに令和6年3月には、流域治水の取り組みを加速化・深化させ、さまざまな手法を活用した対策の一層の充実が図られるように、気候変動を踏まえた『流域治水プロジェクト2.0』が策定されました。
■みなさんと一緒に取り組む流域治水対策(水害の自分事(じぶんごと)化)
みなさんの行動が、「流域治水」につながります。
〇大雨のときに、お風呂の水を流さない
〇庭に雨水を貯めるバケツやタンクを置く
〇地域の清掃活動に参加し、川に流れるごみを減らす
〇避難訓練に参加し、水害時に迅速に行動・避難ができるよう日頃から備える
〇田んぼダム(田んぼの落水口に特別な堰板(せきいた)を取り付け、雨水をゆっくりと排水し、水路や河川の水位の上昇を抑えるもの)を実施する
一つ一つは小さな事かもしれませんが、みなさんが取り組めば大規模な水害を防ぐことにつながります。例えば大雨時にお風呂の排水を止めれば、大洲市では一般的な小学校プール約11杯分の水が川に流れ出すのを防ぐ治水効果があります。
美しい自然と歴史が織りなす肱川は大洲市の宝です。流域治水で水害に強く、安心して暮らせるまちづくりを共に目指しましょう。
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