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自治体の皆さまへ

健康手帳Vol.325

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愛媛県新居浜市 クリエイティブ・コモンズ

新居浜市医師会提供

■実は怖い、便秘症状
便秘に悩まれる人は数多く(男性の2.6%、女性の4.9%)、若い頃から便秘症が目立つ女性と比べ、男性は60代くらいから高齢発症します。便秘症は糖尿病、甲状腺機能低下、パーキンソン病、うつ病といったさまざまな基礎疾患に合併し、抗うつ薬、麻薬製剤、がん化学療法、抗コリン薬などの薬物治療の副作用としても認められます。 
不快な便は明らかに生活の質を下げますが、便秘症があるだけでも15年後の生存率が17%も低下するという恐ろしい報告(Changら,2020年)もあります。便を出すための強い「いきみ」が、脳血管や呼吸器への強いストレスとなり、脳出血などの急性期疾患につながるためといわれています。事実、排便中に倒れて救急搬送されたり、宿便症状やその後の腸炎症状などで病院を受診されたりする人は少なくありません。 
いざ便秘となると、皆さんは食事療法で改善を試みます。しかし、野菜をめったに食べないような極端な人を除き、その食事療法の効果は限定的です。バランスの悪い過剰な食物繊維摂取はむしろ消化に悪く、便秘症状を悪化させることもしばしば。 
また、背景に大腸がんなどの病気が隠れていることもあるので、まずは病院を受診し、大腸内視鏡検査を受けて病気を除外することが一番です。病気がなければ一安心、あとは薬で上手にコントロールしましょう。便秘にはバナナが良い、納豆が良い、玉ねぎが良いといっていても、生涯にわたりその食事を続けることは困難です。自分に適した良い薬でコントロールするほうが遥かに安全で楽とも言えるでしょう。

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