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スマイル 笑顔輝く新居浜人を紹介 vol.93

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愛媛県新居浜市 クリエイティブ・コモンズ

■伝統の技を地域に伝える
えひめ一閑張倶楽部 森 好代(もりみよ)さん

木や竹籠に和紙や古布などを張り付け、漆や柿渋を塗ることで軽くて丈夫な道具を造る、江戸時代以来の伝統工芸「一閑張(いっかんばり)」。そんな一閑張の制作を基礎から学べる教室を市内で開いているのが森好代さんです。
一閑張との出会いは幼少期。紙すき職人だった祖父の影響もあってか、生まれた時には一閑張が家にあり、森さんも自然と惹かれていきました。
森さんが本格的に一閑張の制作を始めたのは40歳代の頃。夫の転勤で引っ越した東京や名古屋で一閑張教室へ通い、技術を身に付けました。新居浜に帰ってからは、一閑張教室「えひめ一閑張倶楽部」を開設。泉川公民館などで教室を開いて今年で6年目。生徒との触れ合いも楽しみながら一閑張の良さを伝えています。
壊れた籠や古紙、着物などの古布を生かして使い続けられる一閑張は「現代のSDGsの考えに合っている」と話す森さん。教室では江戸~大正時代の古文書や着物のうち、きれいな部分を生かして使用し、森さんや教室の生徒の手によって、当時の職人の力強い字や繊細な刺しゅう、染めが生きたバッグや「すげがさ」などの生活アート作品へと生まれ変わっています。
森さんは、一閑張の魅力を「昔の文化に触れられる楽しさがあることや古文書を扱う中で古文や落款(らっかん)(作品の完成時に作者が押す署名印)など、さまざまな分野へ興味が広がること、そして世界に一つだけの作品が造れること」だと語ります。
今後の夢は、教室の生徒から次の先生を育成し、自身は松山市や今治市など、活動の拠点を増やすこと。「えひめ一閑張倶楽部を名前の通り愛媛県中に広げていきたい」と意気込みます。

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