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[特集]竜飛ぶまち(2)

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愛媛県東温市

■地元の竜づくり
大きな竜を完成させるにはたくさんの人の力が必要。集まったのは50人もの人たち。
資源も人を繋ぐ力も河之内にはあった。

「最後はみんなで完成させていきましょう」と製作当日、12mの固く重いしめ縄を50人が抱えた。「次はみんなで転がして、細かなわらを落とすよ」と浅野さんが声を掛けると、子どもたちは笑みを浮かべ転がしていく。「作業自体が大掛かりなものになるので、竜づくりの1週間前には地元のみんなが集まってシミュレーションをしました。当日はたくさんの人が集まってくれたので準備をしっかりしていた甲斐がありましたね」 
小学生たちも製作に入り、縄ないを手伝ったり、竜の胴部分のわらくずをハサミで切り落としたりした。「完成後、どれだけの人が見に来てくれるかは分かりませんが、できるだけ整えておきたいです」と地元の人たちは話す。 
竜づくりから約3時間後、最後は全員で竜を持って神社の本堂までの階段を登り、しめ縄竜を持ち運ぶ。飛んでいる竜をイメージして、胴体は本堂の柱に括られて展示されている。 
参加した人は完成した竜を見上げ、達成感の笑顔に満ち溢れていた。

「12年に一度だからできることなんよ」と地元の人たちは笑う。接続部分などが見えないように手作りの菰で隠したり、細かな工夫を感じられる竜。「完成の日が近づくにつれ、毎日公民館に足を運び、微調整を続けてきました。毎日見ていると気になるところが出てくるんですよ」と浅野さんは笑う。「誰かが何かをやりたいと言うとみんなが協力して叶えてくれる。指揮をする人、形にしてくれる人が河之内には揃っています。河之内の人たちだからしめ縄竜づくりができたと思っています」と佐伯さんは話す。 
完成したしめ縄竜は惣河内神社の本堂で見ることができる。「12年後はみんな80歳超えるかぁ。みんな集まれるかな。それまで頑張って生きんといかんなぁ」と河之内の皆さんは完成したしめ縄竜を見上げて笑い合う。

◆久万高原町の人形作家 林智美(はやしさとみ)さん
いつもは小さい人形を作っているのでこれほど大きいものを作るのは初めてでした。話をいただいたときの地域の皆さんの表情はいきいきしていて、ぜひやってみたいと心動かされ、今回参加させてもらいました。たくさんの人に見ていただけたら嬉しいです。

◆河之内地区 浅野和雄(あさのかずお)さん
顔と体が繋がったときは感動しました。特に3本締めのところや体と頭を接続するところが大変でしたがなんとか形になりました。一番のこだわりは「米」。米の産地河之内ならではの材料を使ったり装飾品などをあしらったりして細部までこだわり、米に対する思いが詰まっています。

◆東谷小学校6年生 小倉芽依(おぐらめい)さん
しめ縄竜づくりは私にとって貴重な経験になりました。体を編むときには地元の人たちとみんなで協力した結果、意外とスムーズにできて楽しかったです。もし次に地域で何かする機会があれば参加したいと思いました。

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