■東温市誕生20周年記念事業
東温市民ミュージカル 人と川と祈りと〜重信川伝説
本市のかけがえのない地域資源である重信川を題材に、市民キャストとスタッフが中心となって創り上げた市民ミュージカル。Great Sign坊っちゃん劇場での公演は、全4公演全て満席で、1,629人の観客を感動の渦に巻き込みました。
◆舞台芸術の聖地を目指して
アート・ヴィレッジとうおん構想に基づき、全世代参加型として8年振り2度目の市民ミュージカルを1月18日(土)と19日(日)に上演しました。制作に携わった市民キャストとスタッフは、小学生から70代までの約60人。学生、社会人、主婦、演技の道を志す人などさまざまな立場の人が集まり、約5か月間稽古に励みました。
◆心温まるファンタジー作品
氾濫を繰り返す川と共に懸命に生きた人々の想いをコメディ色を加えたファンタジーで描いた今作。思わず笑ってしまうシーンや、人々の絆を描いた涙を誘うシーン、胸をくすぐる淡い恋のナンバー、個性豊かで魅力的なキャラクターなどが観客を魅了しました。また、8年前の市民ミュージカルに出演し、現在プロとして活躍する山﨑玲奈(れな)さんが特別出演。存在感を放ち、市民と一緒に作品を創り上げました。
◆観客と共に創り上げた舞台
さくら組でミヨ役を務めた汐見玲香(れいか)さんは「練習では、出演者とスタッフのみで作品を創っている感覚でしたが、本番では、世界観が客席まで広がり、お客さんも含めてみんなが作品を創っていることを感じました」と観客との一体感溢れる公演を振り返りました。
◆未来への期待が高まる
観客からは「予想以上に完成度が高くて驚きました。毎年観劇したいです」「次は自分が出演してみたいと思いました」という声が聞かれ、出演した子どもたちからは「将来は舞台俳優として活躍したいです」という声が聞かれるなど、人々に夢と希望を与える公演となりました。
◆公演を終えて
1月27日(月)に開催された重信川フォーラム(主催:重信川の自然をはぐくむ会)に市民キャストとスタッフが登壇し、公演を振り返りました。さくら組でミヨ役を務めた汐見さん(写真右)は、「私は重信中学校出身で、中学生の頃、史跡となっている足立重信公のお墓を訪ねたり、重信川の歴史を教わったりしてきました。今作を通して、昔の人々が一生懸命手作業で川の工事をして氾濫を防いでくれたことや、水天宮に祈ることが心の支えになっていたことを改めて認識し、重信川や水天宮が今存在することは当たり前ではないと考えるきっかけとなりました」と振り返りました。
◆啓発劇ではない
過去の市民ミュージカルにキャストとして出演し、今作ではアシスタントプロデューサーを務めた山木美里(みさと)さん(写真中央)は、「今作は、川を守っていきましょうというメッセージの啓発劇ではないことが肝だと思います。昔の人々がどのように川と共に生きてきたかを描くことで、作品を鑑賞した人が、川とどのように向き合っていくべきかを自然と考えるきっかけになることが、文化芸術の可能性であり、素晴らしさだと思います」と語りました。
◆プロの役者の道へ
はなみずき組でタツヤ役を務めた田口大夢(ひろむ)さん(写真左)は、大学で演劇を学び、坊っちゃん劇場の舞台に立ちたいという想いから今作に出演。「幅広い年代の人が制作に携わり、稽古場に全員が集まる機会がなかなか得られなかったことから、代役として私がミヨ役を務めることもありました。共に演じる相手役への理解を深めることができ、とても大きな収穫でした」と語りました。田口さんは、今回の公演をきっかけに坊っちゃん劇場作品への出演が決定。夢に向かって大きな一歩を踏み出す契機となりました。
※詳しくは本紙をご覧ください。
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