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自治体の皆さまへ

令和六年 年頭のご挨拶

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愛媛県松野町

松野町長 坂本 浩

明けましておめでとうございます。町民の皆さまには、輝かしい新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。旧年中は、町政運営に際し格別のご理解、ご協力を賜り、誠にありがとうございました。本年も引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、四年間にわたり私たちを苦しめてきた新型コロナ感染症ですが、感染が拡大している間、観光産業や飲食業、運送業をはじめ多くの産業が大きな打撃を受け、健康に不安のある方やご高齢の方などは家に引きこもりがちになるなど、大変多くの皆様が経済的にも精神的にもつらい思いをされたのではないでしょうか。ようやく昨年五月に、コロナがインフルエンザ並みの位置づけとなりましたので、これからは、感染拡大前の日常をひとつひとつ取り戻し、地域の絆を復活させ、快適で活気にあふれた「森の国」の再生に、町民の皆さんとともに取り組んでいかなければと考えています。
一方で、コロナをきっかけに、新しい動きも出てきました。自然との共生を求めて都会から地方へ移住する人が増え、経済的な豊かさよりも精神的な満足度を優先するライフスタイルが顕在化するなど、一極集中から多極分散型の社会に移行する兆しが見られるようになりました。
このように、コロナは私たちの生き方を変える大きな転機となりました。このため本町でも、これらの多様な価値観や行政ニーズに対し、迅速かつ柔軟に対応する施策を展開し、新しい時代の波に乗り遅れることがないように、しっかりとまちづくりを進めていきたいと考えています。
その中でも、人口減少問題は喫緊の課題です。松野町の人口は現在約三千六百人、四十年後には千二百人台になるとの予測があり、このままでは消滅してしまう集落が出るかもしれません。このため、全国から移住者を呼び込み、地域社会を支える担い手となってもらうように、移住に不可欠な「仕事・住居・子育て」の三点をセットにした支援策を「まつのモデル」と名付けて全国に発信しています。
まず「仕事」の点では、愛媛県で唯一となる「特定地域づくり事業」の認定を受け、「森の国まつの事業協同組合」を設立し、この組合で移住者を職員として雇用し、町内の複数の事業所に派遣しています。人手不足の事業所にとっては、繁忙期に柔軟に人材を確保することができ、また職員も組合に雇用されることで、年間の安定した仕事や収入が得られることになります。さらに、様々な仕事を体験する中で、自分に合ったものが見つかれば、そこに就職や起業をするという選択肢も生まれてきます。
次に「住居」の点では、町内に多数ある空き家の活用を考えています。移住者が自ら改修する場合のほか、所有者が移住者への貸し付けを前提に改修する場合、空き家から不要な家財道具等を搬出する場合など、多様なニーズに対応できる町独自の補助制度を創設しています。
最後の「子育て」の点では、令和六年度中に放課後児童センターを整備して、小学生が授業終了後に楽しく安全に過ごせる場所を提供します。また、町外に通学する高校生等の定期券購入に対する補助や、高校生までの医療費の無償化、出産祝い金の交付など、きめ細かな支援策を運用しています。
これらの取組により、令和四年度には過去最多の三十五世帯五十六人が松野町に移住しています。今後は、さらに多くの移住者を迎え入れる環境整備とともに、本町出身者のUターンの促進や出生率の向上にも努めてまいります。

松野町は、桃源郷とも言えるすばらしい町です。この場所で穏やかな暮らしがいつまでも続くように、役場職員の総力を結集して、スピード感をもって地域の課題に立ち向かっていく所存でありますので、どうぞ皆様の温かいご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
そして、本年が皆様と松野町にとって素晴らしい年になりますようご祈念申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。

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