■令和6年 仕事始め
あけましておめでとうございます。
令和6年の元旦は、春を思わせるような暖かく穏やかな日和に恵まれ、ようやくコロナが収束しつつある安堵感も加わって、「今年はいい一年になるぞ」と期待を膨らませていた方も多かったのではないでしょうか。ところが、能登半島地震がそんな正月気分を吹き飛ばしてしまい、自然災害の恐ろしさ、人間の無力さを思い知ることになりました。1月5日の時点では被害の全容はまだ不明ですが、死者は92名、安否不明者も242名に上り、3万人を超える避難者が、不自由で不安な避難所生活を余儀なくされています。被災されたすべての方にお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復旧復興がなされますように祈っています。
また、南海トラフ地震の懸念がある私たちの地域にとって、この災害は決して他人事ではありません。過疎化高齢化が進んだ山間部の集落で、このような大地震が発生した際にどのような対策が有効であるのか、事前にどのような準備をしておくべきか、しっかりと検討しなければならないと考えています。
このような状況ではありますが、1月4日には「仕事始めの式」を行い、出席した役場職員に令和6年のスタートに際しての心構えを3点、訓示として伝えさせていただきました。
1点目は、町民が主役、地域が舞台のまちづくりを、職員として支えることです。まちづくりは、住民主導、部落単位で取り組むことが効率的かつ持続的であるというのが私の持論ですが、役場職員はその活動を黒子としてしっかりとサポートし、時には脚本家として筋書きを考え、時には指揮者としてリードしていく役目を果たすことが必要だと考えています。
2点目は、多様性を育む寛容性を身につけることです。行政に対するニーズが多様化する中、町民の皆さんの様々な要望や意見を、前例がないからとか公平性に欠けるとかの理由で門前払いするのではなく、一度は俎上に載せてメリット、デメリットを検討するように、そのための大らかさや優しさを持ってもらいたいと思っています。
3点目は、評論家ではなく実践者となることです。ほかの職員や関係機関の業務に対して批判したり注文をつけたりするのではなく、自分に与えられた業務に対して真剣に取り組むことを優先してほしいとの願いです。
私が役場職員に期待しているこの3つの項目、残念ながら全員が理解し実践しているレベルには至っていませんが、これからも口を酸っぱくして言い続け、職員の意識向上につなげていきたいと考えています。私を含めてまだまだ未熟な点が多々ありますが、松野町のために粉骨砕身努力するという熱意だけは職員全員が共有していますので、町民の皆さんには引き続き、叱咤激励をいただきますようお願いいたします。
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