コロナ禍にあった令和3年2月、3期目となる町政運営の重責を担い、はや3年が経過しました。町長として、また県町村会長として、新型コロナウイルスへの対応に奔走した2年を経て、昨年は、第2次総合計画における基本計画を更新し、まちの将来像である「文化とこころがふれあうまち」の実現に取り組んでまいりました。
社会経済活動が再開され、全国的に集客イベントが賑わいを取り戻し、本県でも11月に「ねんりんピック」が通常開催されるなど、コロナとの共存が進む一方で、少子化に伴う人口減少、頻発・激甚化する自然災害、情報化社会の急速な進展などの行政課題への対応は途上にあり、計画に沿って長期的な取り組みを続けていく必要があります。
また、これら喫緊の課題に対する計画的な取り組みとともに、持続可能なまちづくりを進めるためには、砥部町の魅力を高める大胆な施策も必要と考えております。地方創生に向け、自治体間の競争が必然となる中、本町独自の特色を打ち出し、「選ばれる砥部町」を目指してまいりたいと考えております。
6年度は旧砥部町と旧広田村による合併から20周年を迎えることとなりますが、基本計画に掲げる次の4要素の下、さらに20年先の砥部町の未来を描く出発点としてまいります。
砥部町長 佐川秀紀
【1】”安らぎ”のまちづくり
■誰もが地域で幸せに暮らすことができるまちの実現に向け
福祉施策の上位計画である「地域福祉計画」に基づき、地域共生社会への包括的な支援を推進していきます。
6年度の新たな高齢者福祉施策として、難聴高齢者に対する補聴器購入助成や「脳と体のいきいき教室」を実施し、住み慣れた町で生きがいを持って暮らせるよう支援します。
また、健康づくり計画をはじめとする各種計画の策定に取り組み、健康づくりの推進と保健対策の充実に努めます。
■防災・防犯に取り組み、安全で安心して暮らすことができるまちの実現に向け
能登半島地震による防災意識の高まりを機に、自主防災組織や防災士を対象とした研修の充実とともに、小学生による消防クラブの設立などを通じ、地域防災の担い手を育成し、「自助・共助」の力を高めていきます。
「公助」の面では、防災拠点施設の強化として、砥部消防署広田出張所、第4分団詰所を更新することとしており、女性分団と併用する詰所の整備により、防災分野における女性の活躍を推進します。
【2】”育み”のまちづくり
■未来を担う子どもたちが、たくましく健やかに育まれるまちの実現に向け
子育て支援および学校教育の充実を図ります。
子育て支援としては、「えひめ人口減少対策総合交付金」を活用し、結婚、出産、子育て期において経済的負担の大きい若年世帯への支援を重点化するとともに、町内に誘致した民間未就学児童施設において、新たに「病児・病後児保育事業」を委託開設するなど、妊活期から子育て期にわたる切れ目のない支援体制を強化していきます。
学校教育については、老朽施設の改修とともに、6年度からの3箇年計画でトイレ洋式化を進めていきます。初年度は、宮内・広田小学校について、洋式化とともに乾式床への改良、照明器具LED化などを行うこととしており、清潔で快適な教育環境を順次整備していきます。
また、本町独自の特色ある取り組みとして本格化するのが「砥部分校の魅力化推進事業」です。
7年度の新コース開設に合わせ、全国募集を開始するにあたり、必要となる事業費を支援するとともに、通学圏外からの生徒を受け入れる教育寮を新設します。
県立学校に対する今回の支援は、町にとっても大きな挑戦となりますが、重要な地域資源である同校の魅力化は、町全体の魅力を高めることに繋がると考え、卒業後の起業支援を含め、本町において活躍できる人材の育成に取り組んでいきます。
■身近な学びと交流により豊かな心が育まれるまちの実現に向け
小学生を対象とした「砥部焼博士事業」、「砥部の里冒険クラブ事業」を継続し、魅力ある体験学習を通じて、将来を担う人材の育成を推進します。
また、学校・家庭・地域の連携を推進するため、麻生小学校で研究を行ってきたコミュニティスクール制度について、6年度より同校に先行導入することとし、7年度からの全校導入に向け、地域とともにある学校づくりを実践していきます。
■文化・スポーツ活動により感性が育まれるまちの実現に向け
町民が、それぞれのライフステージに応じた活動に取り組めるよう、利便性の向上と施設の充実を図っていきます。
6年度は、新たな砥部町誌の完成も予定しており、本町の歴史・文化の継承に努めます。
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