■火熨斗(ひのし)
布地のしわを伸ばすための道具です。
片手鍋やひしゃくのような形をしており、金属製の容器に熱した炭火を入れ、柄(え)を持って金属容器の底を布に当て、熱と重さで布のしわを押し伸ばします。
日本では、実際に使われていたかは不明ですが古墳から副葬品として出土しています。また、平安時代の辞書にも熨斗(のし)の名で記載されており、この頃には使用されていたことがわかっています。
江戸時代になると、炭火を利用した焼きごても使われるようになりました。
長期にわたり使用され、庶民にも普及しましたが、温度調節ができない、灰が布に落ちるなどのデメリットもありました。
明治時代に入ると炭火アイロンが西洋から伝わり、その後、電気アイロンが普及して徐々に使用されなくなりました。
(砥部むかしのくらし館所蔵)
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