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【特集】ここから始まる挑戦〜私の拠点〜(1)

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愛媛県西条市

チャレンジを応援するまち、西条市。資格を取ったり、イベントを企画・実施したりなど、何かにチャレンジする方が増えています。
そんな中、昨年オープンした「ひと・夢・未来創造拠点複合施設(愛称:SAIJO(サイジョウ)BASE(ベース))」は、人と人とが交流できる、今までの西条にはなかった場所として生まれ変わりました。
愛称には基本(ベース)という意味のほか、基地という意味も込められています。
「やってみたい!」。SAIJOBASEはそんな思いを持ったあなたの背中を押してくれる場所(基地)かもしれません。

■やりたいを実現できる活動の起点に
犬猫の殺処分実態(※1)に心を痛めていた2人が発起人となり、SAIJOBASEのオープニングイベントをきっかけに、発足した「NPO動物愛護団体daisy(デイジー)_saijo」。西条市で認知が低い保護猫(※2)を知ってもらうため、適正飼養と動物愛護法、この2本柱で啓蒙活動をしています。
※1…年間14,457件(令和3年度環境省統計資料より)
※2…飼い主のいない猫。当団体では主に動物愛護センターで保護されている猫を引き取り、里親を探す活動などを実施
▽この場所との出会い
「私たちが取り組んでいる問題は、今すぐに解決できる問題じゃありません。子どもたちをターゲットに活動を知ってもらい、次世代へ命の大切さを伝えたい」。それを実現する始めの一歩が「保護猫マルシェ」でした。保護猫の存在を知ってもらおうと、昨年10月に第1回目を開催。「昨年の夏、施設の存在を知りました。正直なところ、少しずつ知ってもらえればと活動を始めたのですが、館長をはじめスタッフがとても良心的に支援をしてくれて」。ただ、マルシェの実施場所には困ったと話します。「皆さんが知っている公共施設でやりたいと思っていました。ただ動物のことになると許可がとりづらい。そんなとき、スタッフが『広場だったら動物を連れてきてもいいよ』と言ってくれました」。たくさんの人に来てもらうためにいろんな仕組みづくりをして、開催したマルシェは大盛況。「来場者数も想像以上で、思っていたよりも皆さんが動物愛護への関心が高かったことに驚きました」。まずは「知ってもらう」。このマルシェの開催が団体の目標に大きく近付く一歩となりました。

▽活動の基本(ベース)に
こうして活動していくうちに、どんどんつながりも生まれていきます。「個人ボランティアをはじめ動物愛護に興味関心のある高校生ともつながりました。『何かしたい』が連鎖していって活動の幅が広がっています」。今年2月には第2回目のマルシェを開催。「ここが活動のベースとなり、イベントのノウハウが身に付き、パターン化できた。初め計画していた2、3年分の活動が、この1年で実現できて、まさかこんなことになるとは」と施設や、つながりへの感謝を語ります。
「住みやすいまちのために、何ができるだろう。ここは、そんな思いを実現できる、いろんな可能性を秘めた来やすい・使いやすい公共施設。私たちの目標は、愛媛県内で殺処分される犬や猫を『0』にすること。9月には3回目のマルシェを開催予定です(詳細は本紙7ページに掲載)。これからもこの場所を拠点にできることをできる範囲でがんばりたいです」。

■マルシェで生まれる「つながり」と「挑戦」
来て、知って、使って、そしてつながって「夢」を実現する。
そんな場所にするために、まず始めたのがSAIJOBASEの日(以下、マルシェ)。
毎月第4日曜日に開催するマルシェには、多くの人が集います。
▽まずは施設を知ることから
「マルシェに来て、施設を知ってもらう。そして、ここから羽ばたく人が増えたら」。そんな思いで始めたマルシェは7月で1周年を迎えました。オープン当時、マルシェを立ち上げたのは市民団体の「イマココ子育て支援」。1周年を迎えてからは、SAIJOBASEが主催者です。スタッフは、「マルシェを創り上げ、支えてくれたイマココ子育て支援さんには感謝です。第1回目の来場者数は175人。最近では最大で約900人の方が来場。出店者数も約4倍となりました」。マルシェの内容はキッチンカー出店や雑貨などの販売、プラネタリウム投影、市民活動PRなど。規模が大きくなるともちろん、主催者側も忙しくなります。「出店者など、皆さんの思いや、やりたいことに公平に応えるのが難しい。スタッフで試行錯誤しながら、来場者も出店者も満足できる場所を提供しています」。人手不足を解決するために、高校生にボランティアを依頼することも。次世代を担う学生にとっても挑戦できる場所となっています。
マルシェをきっかけに参加者が施設に興味を持ち、個人スペースを使ったり、打合せで会議室を利用したりと、利用者も増えています。「最近だと、『お店を始めたいけど、どうしたらいいか分からない』など、新しい出店者も増えています。マルシェをきっかけに挑戦する人たちの起点になりたい」。人が集うだけで終わらない。その後のつながりや挑戦を育もうとする主催者の熱い思いが込められているマルシェは、これからさらなる進化を続けます。

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