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自治体の皆さまへ

人権・同和教育シリーズNo.154

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愛媛県西条市

■外国籍の子どもと関わって
にほんご未来塾
柳川五郎さん
にほんご未来塾では、日本語を母語としない児童・生徒などの学びを支えています。

▽安心して日本語を学べる環境を目指す
私たち「にほんご未来塾」では、毎週水曜日の午後、西条公民館で外国籍や外国にルーツを持つ子どもたちを対象に、地域や学校で円滑な日常生活が送れるよう、日本語指導と学習支援をしています。子どもたちのほとんどは、西条小学校内の「にほんご指導教室」で学ぶ子らで、国籍は今まで9カ国に及びます。
私がこのような活動をするようになったのは、7年前に外国籍の市内中学3年生の受験指導をしたことがきっかけでした。この子たちは日本滞在がすでに4~7年であるのに、漢字や長い作文が苦手で、各教科の内容理解も十分とはいえませんでした。長い間、小・中学校に通っていたのに、安心して受験できる学力がついていなかったのです。
それにはさまざまな要因が考えられますが、その主なものとして、彼らは認識力や理解力を支える母語が未発達のまま来日し、いきなり全く新しい日本語につまずいてしまっているのです。小学校の中・高学年で来日した場合は、母語はある程度発達していますが、一度に多くの難しい漢字や教科用語に出会わざるをえず、この壁はさらに高く、困難になっています。

▽支援しなければ手遅れになる
そこで、私は子どもたちの「進路保障」のためには小学校の段階から支援しなければ手遅れになると考え、校長先生方と相談し、学校外でちょっとでも支援ができればと始めた次第です。以来、学校と定期的に連絡会を設け、校内の状況と私たちから見る状況を基に課題を共有してきました。
現在、元教員9人が子どもとマンツーマンで指導をしています。どの子にも共通して指導するのは音読です。音読は、言語認識の基盤を養うからです。ひらがな、カタカナ、漢字、宿題、学習の補充、時間があれば折り紙やお絵描きなども。これからも仲間たちと一緒に、子どもたちが安心して何でも聞けて、勉強ができる環境を整えていきたいと思っています。

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