■119番~命をまもる
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◇火災の恐ろしさ
2024年の火災件数は64件で、亡くなられた方は3人でした。2023年と比べると火災件数は減少しましたが、亡くなられた方は増えています。今年もすでに1月だけで12件の火災が発生し、2人もの尊い命が失われています。
死者が発生した火災現場の多くは、住宅用の火災警報器が設置されていませんでした。市民の尊い命を守るために、3月1日から7日までの「春の火災予防運動」期間中は、特に住宅用の火災警報器の大切さを知っていただく啓発活動を進めます。
◇救急対応の増加
一宮市の救急出動件数は、コロナ禍を例外として毎年増加しています。最近では、夏の猛暑による熱中症も増加原因の一つとされ、2024年の救急出動件数は2万746件で過去最多となりました。
救急車も限りある資源ですので適切な利用が求められます。診てもらえる医療機関が分からないときは「救急医療情報センター(【電話】72-1133)」が、24時間対応で適切な医療機関をご案内します。また、症状に対する緊急度が分かる専用アプリ「全国版救急受診アプリ(Q助)」(本紙10ページ参照)もご利用いただけます。
さらに一宮市では、総務省の「マイナンバーカードを活用した救急業務(マイナ救急)」の実証事業への参入を計画しています。カードの活用によって搬送される方の医療情報などにアクセスできるので、救急活動の迅速化・円滑化が期待できます。
◇消防指令センターもバージョンアップ!
皆さんからの119番を受信する消防指令センターは消防本部(一宮市緑1丁目)にあり、通信指令課19人の職員が365日24時間対応で勤務しています。2016年度からは「一宮市・稲沢市消防指令センター」として稲沢市との共同運用を開始し、さらに稲沢市の職員10人も同センターで勤務することになりました。運営費用は、単独で事業を行ったときに比べて両市ともに負担が抑えられるように、人口規模などを参考にして一宮市が約67%、稲沢市が約33%の割合で負担しています。
来年の春ごろには、新しい消防緊急通信指令システムの運用を開始します。従来のシステムは、119番通報を受信して消防車両などに出動指令をかけたり、それぞれの車両と無線交信をして通報内容などの情報を共有したりすることができますが、今回の更新では新たに2つの機能を追加する予定です。
1つ目は「映像通報システム」です。119番通報者のスマートフォンにショートメッセージを送信し、指令センターとビデオ通話ができるようにすることで、より有効な応急処置の指導や出動隊との通報映像の共有などが可能となります。
2つ目は「映像伝送システム」です。現場活動中の隊員のスマートフォンから送られた映像を、現場指揮本部の端末や消防指令センターで視聴できるシステムで、より有効な現場活動が可能となるものです。
現在は、指令センターを稲沢市と共同運用していますが、将来に向けて、名古屋市を中心とした尾張地域全体の消防指令センター構築の検討も始まっています。住民の高齢化や人口減少など、消防を取り巻く環境は今後も変化します。平常時の消防体制だけではなく、地震・風水害など大規模災害に備えるためにも、他の自治体との連携・協力は必須です。常に時代の変化にあわせた態勢の構築を目指していきます。
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