ごん吉くんレポート～南吉よもやま話～

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■第67回　南吉の詩から生まれた絵本
新美南吉記念館では、7月15日(土)～10月29日(日)まで新美南吉生誕110年「南吉と長野ヒデ子の母の世界展」を開催します。
南吉作品には、早くに実母を亡くした南吉の思いからか、しばしば優しく温かい母親が描かれています。そして長野ヒデ子さんは、自分自身が母親であったことをきっかけに絵本作りを始め、たくさんのお母さんを描いてきた作家です。これまでにも「狐」など南吉作品から絵本をつくったことがありました。今年の5月に長野さんが出版した絵本『てんごく』は、南吉の詩「天国」から生まれた作品です。南吉の詩から長野さんが感じた「天国」を、絵本そして原画を通して皆さんにも感じていただけたらと思います。
※8月13日(日)には講演会も開催します。詳しくは、はんだ市報3ページをご覧ください。

◆天国
新美南吉

おかあさんたちは
みんな一つの、天国をもっています。
どのおかあさんも
どのおかあさんももっています。
それはやさしい背中です。
どのおかあさんの背中でも
赤ちゃんが眠ったことがありました。
背中はあっちこっちにゆれました。
子どもたちは
おかあさんの背中を
ほんとの天国だとおもっていました。
おかあさんたちは
みんな一つの、天国をもっています。