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ごん吉くんレポート~南吉よもやま話~

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愛知県半田市

■第77回 児童雑誌『カシコイ小学生』と新美南吉
写真は、昭和7年末から10年頃に刊行されていた雑誌『カシコイ一年《二年》小学生』です。東京神田にあった精文館が創刊しました。浜田広介(はまだひろすけ)の「泣いた赤おに」の初出誌であり、小川未明(おがわみめい)、北原白秋(きたはらはくしゅう)など、当時第一線で活躍していた作家や詩人の作品が多く掲載されていた雑誌ですが、南吉記念館にとっては、南吉が幼年童話を発表していたという点で重要な資料といえます。しかし長い間雑誌自体が見つからず、詳細も分からないままでした。
状況が変わったのは平成22年のこと。精文館の創業者、北村宇之松(きたむらうのまつ)の遺族の元にまとまった数の『カシコイ小学生』があることが分かったのです。その後「アメダマ」など南吉作品を掲載した号を含めた25冊を譲って頂き、初めて掲載状況が確認できました。
その後も、宇之松の従兄弟で同社の編集者だった藤本卯一(ふじもとういち)の孫、行司千絵(ぎょうじちえ)氏(京都新聞社記者)の調査で未見の号や挿絵原画が見つかったり、当館が古書店から購入した1冊に南吉の幼年童話「ゲタニ バケル」が掲載されていることが分かったりと、少しずつですが明らかになってきたこともあります。南吉記念館では、4月12日(土)から、これまでの調査で明らかになったことや、見つかった資料などを紹介する企画展を開催します。お楽しみに。

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